細道~武家屋敷通り~

両側には石垣の塀があり、まっすぐ伸びたこの通り。

なんとも、風情豊かな雰囲気だと思いませんか?

ここは、福江港から10分ほど歩いた場所にある武家屋敷通りです。

寛永11年(1634)に第22代藩主・五島盛利公が各地に散らばっていた豪族や五島藩士170余家を福江に移住させました。

その時、中級階級武士が住んでいたといわれるのが、今回、私が歩いた武家屋敷通りです。

全長約400メートルの石垣は、保存状態がよく全国でも珍しいそうです。

石垣の塀には、こぼれ石と呼ばれる丸い石が積み重ねられています。その両端を蒲鉾形の石で止めてあるのが特徴です。

こぼれ石は、一説には外部から石垣の塀を登ってくる侵入者が、積み上げている石を落した時にでる音で、侵入を知らせたりする役目だったといわれています。

外部からの侵入の音がこぼれ石でわかるくらい、昔は音が少なかったんですね。

あと、いざという時に、武器として使用されたともいわれています。

いざという時に使うにしては、少し大きくてコントロールが難しいと思ってしまうのは私だけでしょうか・・・

所々に残っている、こんな形の門構え。これは、薬医門と呼ばれています。

薬医門とは何だろうと思い調べてみました。

一説には、かつて、医者の門として使われていて、門の脇に木の戸を付け、たとえ門の扉を閉めても、木の戸から患者が四六時中出入りできるような造りにしていたそうです。このことから、薬医門と言われるようになったそうです。

なるほど~!面白いですね。

現在は、門の奥には、マンションが建っていたり、民家だったり、昔と今が融合して存在しています。

このポストも久しぶり!

武家屋敷の雰囲気にピッタリですね。

カーブミラーもこのように石垣の塀に直接くっついて、武家屋敷ならではではないでしょうか。

石垣の塀や薬医門を見ながら歩いていると、軽くタイムスリップしたような不思議な感覚が味わえます。

武家屋敷通りを約10分ほど歩いて行くと、左の方に「福江武家屋敷通り ふるさと館」見えてきます。

ふるさと館の中へ入り、散策してみました。

ふるさと館は、五島家家臣の1人藤原氏の屋敷跡で、居宅自体は明治末期に建て替えられています。

良い匂いがすると思い見上げると、金木犀の花が咲いていました。

金木犀の木の右奥には、休憩スペースがありました。

庭園は、林泉式庭園であり、庭園文化的価値が高いそうです。

もみじの木がありこれからの季節、ますます見応えがあるんじゃないでしょうか?その他、カキの木などがありました。

縁側に座って、日向ぼっこをしていると、風鈴の音がチリンチリンと聴こえ秋の風を感じました。

 

さらに中へ入って行くと、立派なナンヨウスギの木が目に入ってきました。

このナンヨウスギは、旧所有者の薩摩氏の先祖が台湾から鉢植えとして持ち込まれたもので、かつては2本あったそうですが、1本は台風で倒木したそうです。

落ちている葉を使って、引っ張り合いっこ遊びもできますよ。

大きな木の下で、ベンチに座り風情豊かな建物を眺めているだけで心が落ち着くようです。

ベンチ横にある体験コーナーでは、五島伝統民芸バラモン凧を気軽に作ることができる「ばらもん絵付け体験」やオリジナルハンカチを作れる「ハンカチ草木染体験」があります。どちらとも要予約になります。世界に1つだけの五島民芸品を作ってみるのも楽しそうですね。

奥にある展示コーナーでは、昭和30年代から昭和40年代の武家屋敷通り界隈の写真を展示しています。

少し一休みしたい時は、ここ「喫茶 美女花(みじょか)」

私のおススメは、五島の郷土菓子カンコロ餅と抹茶のセットです。カンコロ餅とは、サツマイモを薄く輪切りにして天日に干し、餅と混ぜ合わせ成形した五島の代表的な郷土菓子です。カンコロ餅のサツマイモの甘い味と、焼いて香ばしい食感がたまりません。

案内所には、売店もあり五島椿グッズや、長崎県内の教会のステンドグラスをモチーフにした栞を販売しています。

ふるさと館、オリジナルキャラクタ―のバラぴょんストラップ(うさぎ年限定)も残り3つ!

来年の辰年へ向けて、バラモン凧と辰のコラボキャラを新たに考えているそうです。たつモンかな?

その他、ふるさと館の敷地内では、第3日曜日にフリーマーケットを開催しています。開催当初は20店舗の出店があったものの、今は、5、6店舗に減ってしまったそうです。参加費300円で、出店者を随時募集しています。五島ならではの掘り出し物が見つかるかも?!

ふるさと館を十分満喫したところで、当時の風情を感じながら、400mの道を帰っていきました。

 

五島の歴史を体で感じることができる武家屋敷通り。

五島にお越しの際は、ゆっくり散歩してみてはいかがですか?

 

今回の細道は・・・武家屋敷通り
歩いた時間・・・武家屋敷通り~ふるさと館内散策 片道約20分

<福江武家屋敷通りふるさと館>
場所:五島市武家屋敷2-1-20

交通:福江港から10分
駐車場:有り
営業期間:通年
営業時間:8:30~17:00(7・8月は~18:00)
休み:月曜日(祝日の場合は翌日休、2・7・8月は無休)
料金:無料
問い合わせ:0959-72-2083

☆体験コーナー
ばらもん絵付け体験
料金:お1人様1200円
所要時間:約2時間
※開始2時間前までに要予約。

ハンカチ草木染体験
料金:お1人様1000円
所要時間:約1時間30分
※前日までに要予約。

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