ホーム > 島の祭り・人々 | 特派員取材企画 > 中世から続く豆酘の赤米行事 頭受け神事①

中世から続く豆酘の赤米行事 頭受け神事①

赤米ご神体

 日本人の食を支えているのは主食であるお米ですが、最近では食の多様化に伴い米離れが進んでいます。今回は対馬の南端、豆酘(つつ)地区に伝わる赤米(あかごめ)行事のひとつ「頭受け」を通じ、古来より大切に守り育てられてきたお米の大切さを考えてみたいと思います。

赤米

 赤米は稲の古い品種で、豆酘の赤米行事は、頭屋制に基づき1300年以上の長きにわたり伝承されてきました。この行事は頭仲間と呼ばれる供僧家と農家により行われ、寺田と呼ばれるご神田で栽培された赤米は、秋に収穫され新しい俵に詰められて、旧暦の十月十七日、頭仲間が1年交代の輪番で務める頭主の自宅の本座(座敷)に吊るされます。これを祈祷することで米俵がご神体となり、本座へは頭主でさえもみだりに入ることは出来なくなります。

 その後も赤米を氏神に供える初穂米をはじめ様々な神事が行われ、翌年の旧暦一月十日の夜から翌朝にかけ、本座で神様として祀られている米俵を今年の頭主の家へ運ぶ神渡りの儀式、「頭受け」が行われます。ご神体を送り出す頭屋をハライトウ、お迎えする頭屋はウケトウといい、行事が行われる本座にはトコブシを盛り付けた松竹梅の島台や赤米で搗いた臼の形をした餅が飾られます。

島台飾り 臼型餅

 ご神体の下に料理が載ったお膳やお酒などが準備されると和装の頭主をはじめ頭仲間が集まり、控えの間からご神体に対して柏手を打ち本座へ入っていきます。まず最初に赤米で作られた甘酒がふるまわれるのですが、女性は入れないため配膳役の男性が頭仲間へ甘酒を注いだり、お酒の準備を行います。 

本座への出入り

赤米の甘酒ふるまい

 

中世から続く豆酘の赤米行事 頭受け神事②へ続く

対馬特派員 鍵本泰志

豆酘の赤米行事(つつのあかごめぎょうじ)

平成14年 国指定無形民俗文化財

平成25年 宮中献穀(宮中行事の新嘗祭に奉納)

年中行事

四月 籾種おろし

五月 田植え

十月 稲刈り

旧暦十月十七日 お吊り坐し

旧暦十月十八日 初穂米

旧暦十二月三日 斗瓶酒

旧暦十二月十九日 日ノ酒

旧暦十二月二十八日 寺田様の餅すき

旧暦一月二日 初詣り

旧暦一月五日 潮あび

旧暦一月十日 頭受け

旧暦一月十二日 三日祝い

寺田(ご神田)の場所 長崎県対馬市厳原町豆酘(つつ)

アクセス 厳原市内から県道24号を南下、内院方面へ左折せず直進し県道192号をさらに南下する。内山と瀬を通過し左折し再び県道24号を南下。「多久頭魂神社、樫ぼの、赤米」の青い標識を左方向に進むと左手にある。厳原から21km、車で40分。

ご協力 

赤米行事保存会 頭主 主藤公敏氏

対馬市文化財課

参考文献

文化庁国指定文化財等データベース

海神と天神―対馬の風土と神々― 永留久恵 著 白水社

厳原町誌

対馬の赤米神事と年中行事 八坂信久

コメント:0

コメントフォーム
入力した情報を記憶する

トラックバック:0

この記事のトラックバック URL
http://yurapuka.net/tsushima/wp-trackback.php?p=3337
トラックバックの送信元リスト
中世から続く豆酘の赤米行事 頭受け神事① - 対馬 島ブログ より

ホーム > 島の祭り・人々 | 特派員取材企画 > 中世から続く豆酘の赤米行事 頭受け神事①

カレンダー
« 2018 年 12月 »
M T W T F S S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最近の投稿
最近頂いたコメント
カテゴリー
携帯で見る
対馬

ページの上部に戻る