節分と豆まき

豆まき

(対馬の天台宗僧侶による豆まき・・・醴泉院)

 一年が経つのは早いもので、もう春の訪れが感じられるようになりました。対馬の天台宗醴泉院では、今年も節分の時期に護摩祈祷と豆まきが行われました。

 旧暦では立春が新年の始まりとされています。節分は元々、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前日を指していました。季節の変わり目には邪気が入ると信じられていたことから、宮中行事のひとつとして炒った大豆をまいていたのが庶民に広がり、神社やお寺、各家庭でもまかれるようになったとか。

 大豆は米と並んで神前に供える穀物で、穀霊が宿るとされています。その神聖な豆を鬼の目にめがけて投げ「魔目」それが「魔滅」につながるということで邪気を払い福を呼び込む意味があります。

護摩祈祷

(護摩祈祷の後は幸せと健康を願い参拝者全員がお祓いを受けます。・・・醴泉院)

 我が家でも節分の豆まきは昔から欠かせない大切な行事として続いています。子供の頃の思い出は、節分の夕方に母親が家中の窓を開け、私に炒り豆が入った枡を渡し「鬼は外!福は内!」と言いながらまくように言われてました。私はいつも近所の目もあるし恥ずかしいので小さな声で言いながらまいていたのですが、母親は「それじゃ鬼はでていかん!」と私から枡を取り上げ、近所中に響くような大声で盛大に豆をまいていました。毎年のことながら私は恥ずかしいのと、普段は物静かでやさしい母親の変わりようにいつも驚いていた思い出があります。

 対馬特派員 鍵本泰志

壌炎招福護摩祈祷 醴泉院

醴泉院護摩祈祷06

 新春を迎えるにあたって、470年余りの歴史がある天台宗、醴泉院(れいせんいん)で、災いを打ち払い福を招く護摩祈祷が行われました。

醴泉院護摩祈祷05

 ご本尊の前で護摩壇に火を点け、檀信徒さんたちの願い事が書かれた護摩木が次々に投じられ炎が大きくなるにつれ、対馬全島から集まった天台宗僧侶の読経が本堂に響き渡りました。ちなみにこの護摩とは元々インドから伝わったもので、天台密教でも最高の祈願法といわれています。

醴泉院護摩祈祷03

 護摩祈祷が終わると、僧侶が檀信徒さん一人々の無病息災や延命長寿を祈りながらお祓いをします。私もお祓いをしてもらいました。分厚いお経で背中を何回か叩かれた時は、けっこう痛かったのですが、お祓いが済むと不思議と体が軽くなったように感じました。その後、本堂の外で恒例の豆まきが行われました。僧侶たちの掛け声は「福はうちー!」皆さん嬉しそうに豆を頂いていましたよ。

醴泉院護摩祈祷豆まき

 最後に、去年頂いたお札のお焚き上げで今年の護摩祈祷も無事終了。これで今年も元気に過ごせますね。

醴泉院護摩祈祷お焚き上げ

対馬特派員 鍵本泰志

名称  醴泉院(れいせんいん)

住所  長崎県対馬市厳原町天道茂470番地

壌炎招福護摩祈祷 毎年立春の前、二月