島に住むにしても、街に住むにしても、自分らしく、どう生きるかが問われる時代です。そんな中、長崎で明るく楽しくがんばっている方を紹介するこのコーナー。1回目は1994年にアルキメデス(長崎路上観察学会)を、2007年に長崎ユニーク旅行研究会を立ち上げ、現在も活躍中の森草一郎さんを紹介したいと思います。

━━ずいぶんいろいろな活動をなさっていますが、森さんは若い頃から現在のようにフットワークが軽かったのですか?


森さん 旅行は昔から好きでしたが、街歩きはあまり興味がありませんでした。中年になって、関心が湧くようになりましたね。実は60歳で定年退職したときに、友人や知り合いへの挨拶状に、今後10年間の目標として、3つの約束を書いたのです。「1000日旅行をする」「1000本の映画を映画館で観る」「1000冊の本を読む」の3つです。昨年は70日旅行し、映画館へ行って63本観て、100冊の本を読みました。





━━人に言った手前、守らないといけないって思いますよね。そんな有言実行中の森さんですが、アルキメデスができるきっかけは何だったのですか。


森 1994年に結成する前に、仲間と一緒に「長崎おもしろ探偵手帳 歩き目です」という本を作ったのです。これが好評でして、2000冊が完売しました。これを機に、街歩きに興味のある方はたくさんいるのだと思い、アルキメデスをスタートしました。




━━月1回、2時間ほど街歩きを行うアルキメデスも今年で結成18年目ですね。街歩きをするうえで、何か決まりごとはあるんですか。


森 例えば二股に分かれた道があったら細い道を選んだり、車が通れないような斜面の道を歩くようにしたりと、あえて不便な方を選んで楽しんでいます。会員は趣味もばらばら。ユニークな看板を探すのが好きな人、植え込みが好きな人……。見たいところは人それぞれですよね? でもそれで良いと思っています。

━━森さんの得意分野をお聞かせください。


森 う〜ん、マンホールですかね。マンホールは既製品もありますが、その土地土地でデザインが異なることが多い。長崎市内の街歩きでも気になりますし、県外の旅行先では必ず写真で撮るようにしています。そうそう、福岡市のマンホールは、一般公募したデザインで作られていて、市章も入らない珍しいものでした。




━━旅行といえば2007年からの「長崎ユニーク旅行研究会」も気になります。活動内容を教えてください。


森 パックツアーにはない旅の楽しさを知ってもらおうと、3〜4ヶ月に1回の会合を開き、旅行した体験を語る会です。日本百各山に定年後完登したり、長崎から東京まで34日間歩いたり、列車の旅を楽しんだりと、個性的な旅行をしている方は長崎にもいます。中国・東南アジアなどのちょっと不便なところで、ホテルを現地で手配するという方もいるんですよ。私も昨年7月に「中欧諸国 個人旅行の魅力と方法」と題して、長崎市のアマランスで報告会をしました。




━━趣味がどんどん広がって、それがみんなの楽しさにつながっていますね。最後に今年の抱負をお聞かせください。


森 アルキメデスは、活動内容を発表できる場を設けたいですね。昨年、写真展も開催したんですよ。個人的には3月にウズベキスタンへ行ってみようかと思っています。





国内外を駆け巡るという言葉がピッタリ。森さんのように、趣味でも何でも、まずは自分の目標を公言して実行してみると、その人に合った何かが見えてくるのかも知れませんね。

森 草一郎さん
現・長崎路上観察学会(アルキメデス)会長。ほか、中高年向けの街歩きの会「ぶらぶらと歩く会」や、個性的な旅行をする長崎人が体験談を語る「長崎ユニーク旅行研究会」などを企画・運営。昨年12月には「長崎メサイアシングアロング」にも参加。

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