島の細道第2弾は、壱岐の代表的な観光地猿岩周辺をご紹介します。壱岐の西の端、黒崎半島の先端にある通称「猿岩」は、そっぽを向いた猿の姿の奇岩です。その高さは45m。海蝕崖の玄武岩でできていて、壱岐にある八本の柱の一つ「折柱」といわれています。今では壱岐の有名な観光地ですが、以前は壱岐の人も知らなかった場所なんですよ。
また、ほとんどの人は車で来て、記念撮影をするだけで、帰ってしまうので、ちょっと残念!この周辺には素敵なスポットや歴史が刻まれた場所が数多く残されていますよ。
郷ノ浦から沼津方面のバス停「黒崎入口」から、車で5分ほど行くと、右方面「猿岩」左方面「壱岐出合いの村」の看板があります。その分かれ道の右側の道路の両端に門が2本立っています。
これは「一の門」といって、戦時中(太平洋戦争)、日本軍の軍事機密地とされていたため、これから先は、島の人々は入れなかったそうです。
21年前、初めてこの場所に来た時、義父から教えてもらい、とても驚いたことを覚えています。今では、私がお客さんにいつも教えています。
「一の門」から800メートルほど先にあるのが、「二の門」です。これから先は、軍の関係者しか入ることができなかった完全に閉鎖された場所。二の門はかなり浸食がすすんでいて、歴史を感じますね。
でも、なぜここから先が入れなかったのでしょうか?
その理由は、この写真のような東洋一の砲台を造っていたからなんです。
以前は中でコンサートもできるほどの場所だったのですが、2005年の福岡西方沖地震の後、大きな被害が出て、今では立ち入り禁止となっています。
これは、砲台の一番上部です。今ではここしか見ることができませんが、この小さな島に、東洋一の砲台を造っていたという事実は、今から想像もできないほど凄いことだと感じます。実際にこの砲台は使われることなく終戦。解体作業も大変だったようです。この砲台跡の横にひっそりと存在していたのが、最初に紹介した「猿岩」です。この場所に、一般の人々が入れるようになったのは終戦後。それまでは「猿岩」に気づかなかったそうです。
見る角度が違うと、猿には見えませんよね。すぐ近くまで近づいて、猿岩の反対側を見ると、海に吸い込まれそうでした。
この写真の右側奥には、小さな砂浜があって、昔はサクラ貝も見つけたことがありました。久しぶりに下りていくことにしました。さっきの砲台跡の方まで戻り、畦道を通って、海岸線まで下りていくと、
穏やかな浜があります。
お目当てのサクラ貝はほんの少しのかけらしかありませんでした。後で、みやげもの屋の「お猿のかごや」の方に聞くと、砂浜の先の方には、水晶があるそうです。次は、ぜひ見つけようと思いました。お猿のかごやでちょっと休憩して、今度は、展望所へ。
入口から60メートルと看板がありますが、かなりの高低差があって、トレーニングになるほど!やっと上ると、なんと正面に、はっきりと対馬が見え、灯台の明かりもわかりました。
手長嶋も近くに見えました。時間をかけて、ゆっくりと壱岐の自然や歴史を感じることができ、大満足の一日でした。秋の夕方の猿岩はちょっぴり、寂しそうにもみえましたっよ。
次は、別の猿に会える場所を紹介しますね。
<アクセス>
郷ノ浦港より国道382号線を勝本方面へ。
柳田交差点を沼津方面へ、左折。
沼津小学校を過ぎ、黒崎半島へ。
最寄りのバス亭は黒崎入口。