寒くなると風邪をひきやすい。風邪といえば咳。咳といえば、止まらなくなってしんどい。と、ご心配な方、必読! 今回、お届けするのは、咳止めに効果ありといわれる長崎市・三宝寺のコンコン婆さんをご紹介します。
長崎市の寺町通りを新大工方向へてくてくと歩いていくと、浄安寺のお隣にある三宝寺に到着。私が訪れたのは、11月下旬の週末。久々にカラッとした良い天 気だったためか、観光客らしき人々が、観光パンフレット片手にちらほら散策していました。お寺が並ぶ「寺町通り」の、わりと渋めのエリアながら、若いカッ プルが多かったのが意外でした。
道を行く途中には、愛想のいい猫が顔を洗いつつお出迎え。
三宝寺の山門は、かつて長崎代官所の門だったらしい。今は、新築されてキレイになっていますが。
三宝寺は、長崎四国八十八ケ所霊場のひとつで、第四十七番となります。ちなみに、長崎四国八十八ケ所霊場を紹介した本もあるので、気になった方はご参考に。看板の「どなたでもお気軽に御参加下さい」の文字に引きつけられます。
立派な本堂。三宝寺は、元和6年(1623)に転誉が開創。もともと転誉さんが、現在の八幡町付近で布教をしていたところ、長崎奉行・長谷川権六郎の援助を受け、三宝寺を開創したそうです。本尊は阿弥陀如来ですぞ。
本堂から向かって右側にあるのが今回のメインとなるコンコン婆さんがご鎮座する閻魔堂。赤いノボリが気になります。見てみると……。
「奪衣婆咳封じ」と書いてありました。このお堂にコンコン婆さんがいることは確か……!! いざ。
その前に、ガラス戸には注意書きが。納得。みなさまもお気をつけあそばせ。忘れておりましたが、咳を止めたい、もしくはかかりたくないと思った方は、飴玉を持参して祈願すると良いといわれています。
写真の右が閻魔様。ココは当然あの世ではないけど、何故か今までの悪事をあれこれと反省してしまいました。極彩色の閻魔様の左側にコンコン婆さんはいます。
迫力満点のコンコン婆さん。正式(?)には「奪衣婆(だつえばあ)」といいます。三途の川で衣類を剥ぎとっていたからこの名前がついています。見た目同様、なかなかワイルドな婆さん。うつろな目にあばら骨……。きっと子どもが見たら、もう悪さなんてしないって、お母さんに誓うと思う。
実は、私、何度も来たことがあります。正直、今でも婆さんの顔は怖いですが、何度も見ていると、妙に愛着が湧いてきた。婆さん、三途の川ではお手柔らかに。しかも、すみません、飴玉、たった1個って。また来ますね。
閻魔堂を去ろうと、ふと掲示板を見たら、このおふれ書きが貼ってありました。思い当たること、山のごとし。まるで我が身を占われたようで、ギョッとなりながら、今後はなるべく思慮深く生きていこうと思い直したお参りとなりました。
場 所:萬年山三宝寺
ご利益:咳封じ
アクセス:長崎市・公会堂前電停より徒歩約10分