島の祭り 壱岐特派員|武原|2011.11.10

矢保佐神社の例祭~10月11日~

 壱岐の島の10月は、どこを歩いても笛の音が聞こえてくるほど、島のあちこちにある神社で神楽の笛や太鼓の音が響いています。壱岐の島にいらっしゃるたくさんの神様が、秋のお祭りを楽しみにしているのでしょう!今回の「島のお祭り」は各地域の氏神様を大切に守り続けている壱岐の人々のくらしをご紹介します。



 ここは、私の住むしめの尾地区が氏子として祀っている
「矢保佐神社(やぼさじんじゃ)」です。
毎年10月11日が例祭。10月8日は馬場打ちと言って、お祭りの準備をします。
 石の鳥居に飾る大きなしめ縄をみんなで手分けして、作りました。しめ縄用のワラは、もち米のワラを使うときれいに仕上がるそうです。ワラをきれいに揃えて、少しずつ手でワラを綯う作業を繰り返します。私は生まれて初めての体験で、全然上手くできませんでした。

 飛び出したワラの先を、はさみで切る作業をして、少しだけ参加できました。みなさん、とても手慣れていて、見事なしめ縄が出来上がりました。まさにプロの技!例祭当日は、早朝から集まって、お賄いの準備をしました。神社の総代さんや氏子でお参りに来た人などに、おもてなしをする役目でした。

 おなますの大根切りに始まって、お煮しめ・鶏の唐揚げ・おにぎりを
当番班の女性陣が、手際良く手作りしました。「昔は、お祭り以外にもお講があったね~」「みんなで集まって、いろいろ言いながら作って食べるのが楽しかったね~」「班の人の家を毎年順番で回って行きよったもんね~」

「私も前住んでいた所で、お講の宿を2回やってきました!」と、ちょっとだけ壱岐の人に近づいた気がしました。

お賄いの後は、みなさんお待ちかねの「餅まき」がありました。今年は平日だったので、子どもたちは一人もいませんでしたが、昔子どもだった方々が、とても生き生きと餅やお菓子を拾っていました。私はみかんをゲット!



6人の神主さんがそれぞれに役割を変わって奉納されました。女性の神主さんもお見えでしたよ。厳かな神楽の後で、毎年のお楽しみ?の神楽の奉納です。

 なんと、今年初めてお祭りの当番班に参加したMさんが、神楽に初挑戦!衣装もとても似合っていて、お面もつけて、猿田彦とのからみもとても上手に舞っていました。去年は、ちょうど居合わせた観光客が飛び入りで参加し、神楽に初挑戦したそうですよ!とってもアットホームなお祭りです。みなさんも参加してみませんか?

 高齢化や過疎化で地域のつながりが少しずつ薄れていくなか、確かに継続するのは大変な行事ですが、次の世代にも継承していく価値のあるもののように感じました。災害後の炊き出しなど、このような自治会での体験が活かされていたということも聞きました。日本人の昔からの知恵を改めて、感じた一日でした。

矢保佐神社

<アクセス>
・郷ノ浦港から国道382号線を勝本方面へ。
・親和銀行の交差点を右折し、県道173号線へ。
・壱岐交通の看板を左折し、最初の角を左折すると、右側しめの尾生活館の隣。




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