愛しの島グルメ|五島特派員|ナカムラ|2011.12.19
ハッチカンカン
今回のグルメは、五島の定番お土産お菓子についてご紹介します。「五島民俗銘菓 八匹雷」五島人では知らない人はいないと言っても過言ではなく、お土産といったら、コレ!という定番でもあります。天皇皇后両陛下が来島された際に献上されたお菓子です。「八匹雷」と書いて、「ハッチカンカン」と読みます。
五島産のもち米、大豆、粟、醤油など使って作った団子が三つ串に刺さっています。たっぷりのきな粉とやわらかい餅が甘すぎず、何個でも食べられます。小さいサイズなので、とっても食べやすくなってますよ。
ところで、何故、「ハッチカンカン」というネーミングなのでしょうか?気になって調べたところ、古くから伝わる災いをお払いするおまじないだそうです。
福江島では、旧二月一日を初仕度(はつじたつ)といい、この日を一年中の農耕の始まりとしてお祝いします。この、「初仕度」を文字って「ハッチカンカン」と言うそうです。「雷」は関係ないということがわかりました・・・。遊び心なんでしょうか・・・?
特定の地域などでは、団子を作り、三つずつ桃の枝か、むくげの枝に刺して、家の扉や窓など、外に向かって開く所に飾ります。これは、農耕に災いする大風や大雨、イナゴや雷などが起こらないようにする「まじない」で、この日だけはこの団子を誰でも勝手に取って食べてよいことになっています。ただ、取って食べる前に必ず、「ハッチカンカンだご(団子)みっつ」と言わなければならない約束があります。
この言い伝えをお話ししてくれた松風軒のご主人は、アメリカのハロウィンやスペインの「ポルボローネ」という祝い菓子と似ていると思ったそうです。
美味しいお菓子も食べられて、おまじないも効くって一石二鳥ですよね。 みなさんも、「八匹雷」を食べる際は、「ハッチカンカンだごみっつ」と言って食べると、災いから守られるかもしれませんよ。
松風軒
長崎県五島市中央町1-37
0959-72-4271