愛しの島グルメ|長崎スタッフ取材|しましま|2015.7.1
豆のネーミングは意外!?なところから
コーヒー、じゃがいも……と、外国から長崎に入り、全国区となった食べ物は、いろいろとあります。今回のグルメもそんな中のひとつ。
突然ですが、こちらは私んちの畑。梅雨空にも負けずに、青々とした葉っぱが畑の大部分を占領していますが……。
今回の主役のいんげんまめです。いんげんは「隠元」と書きます。文字の雰囲気からして何か気づきませんか? そう、いんげんは、お坊さんの名前なんです。いんげん禅師が伝えたから、そのまま豆の名前になった。サンドウィッチと同じパターンです。
どんなお坊さんかというと……こんな感じです。偶然にも似顔絵入りのポスターを見つけました。隠元は、日本三禅宗のひとつ・黄檗宗の開祖。長崎に滞在して、中国の明朝文化を紹介した方でもあります。いんげんまめのほか、胡麻豆腐やダイニングテーブル(!)を伝えたという話も。
ここからは、あえて「隠元豆」の漢字表記にします。隠元豆といえば胡麻あえ。隠元が伝えた胡麻豆腐の胡麻ともカブっているので、より親しみがわきました。隠元豆は、好みでしょうが、ゆでる時に少し歯応えを残した方が、風味も良く、食感も楽しめます。今では年中、スーパーで見かけますが、旬は春なんですよ。
隠元は、長崎に様々なものを残してくれました。そんな隠元の功績を讃えつつ、拝みたい――そんな気分にさせてくれるのが、こちらの長崎市・聖福寺山門に掲げてある扁額です。創建した鉄心というお坊さんが、隠元に書いてもらい、この山門に飾ったそう。今でいうと、隠元ファンの鉄心が、スターからもらったサインを飾った感覚? ちょっと違うか。それはさておき、隠元は、今も昔も尊いお方なんですね。