ご利益ヨロシク 五島特派員取材|ナカムラ|2013.9.4
五島のお盆
五島では、お盆になると夜お墓に家族が集まります。墓石の周りを木の枠で囲い、そこに提灯をつるして灯りをともします。どこの墓も同じです。
お盆の3日間、夕暮れになるとそれぞれのお墓に、それぞれの家族が集まり、提灯をともす。線香を立ててご先祖様に手を合わせます。そして、親類のお墓や、親しかった人のお墓にも線香をたててまわります。そこで、しばらく会っていなかった親類の人たちと近況を報告しあったりします。子どもたちは、お墓の敷地内で花火をします。爆竹も鳴り響くので、お墓中、けっこうにぎやかです。
お墓に集まるしきたりは、五島の人にとってとても大切なものなので、お盆の3日間は、都会からたくさんの人が帰ってきます。街は急ににぎわいます。同窓生と会ってお酒を飲んだりするのもこの時期ならでは。島の人と人、都会に出た人と島の人を、お盆がつなぎあわせている。ご先祖様たちのたくらみなのではないか、とさえ時々思います。