印通寺浦「お経さん」

 

佐賀県唐津市の唐津港からのフェリーが着く、
印通寺港(いんどうじこう)の辺りを
印通寺浦といいます。

ここの青年会の人たちが、
毎年1月12日に行っている「お経さん」とよばれる
新年のお祭りをご紹介します。

 

 

 

 

 

この「お経さん」は、印通寺浦の「竜烽院」に所蔵されている大般若経の御利益を、印通寺浦に住む人々に、授けてまわる行事だそうです。

行事は早番、午後の番、ユリ配りの番に分かれて行われます。

早番は、まだ暗くて寒い早朝、午前5時頃から
青年会の人々が「竜烽院」に登ります。

そして、経典の櫃(ひつ)2組と
一六善神の御絵(ごえ)1幅、
お潮湯(しおい)タゴをお受けし、
これを一組として、2班に分かれて、
決められたコースに分かれて、出発します。

 

 

 

 

 

 

 

お先祓いを先頭に
「お経お経琛湛々
(おきょうおきょう ちんとんとん)。

衆々来々衆来々
(しゅうしゅうらいらい しゅうらいらい)」
と、
唱えながら、浦町の各家に入り、経櫃2組をかけた形で、玄関に据えます。

家の者は一六善神の御絵(ごえ)を頭を垂れて、恭しく受け取ります。

ユリ配りの番は、ユリと呼ばれる桶に大般若経の御符(御札)を入れ、
各家庭に配り、お賽銭も受けて回ります。

 

 

 

 

 

決められたコースが終わると、竜烽院に登ります。

 午後の番も、同じように浦町の各家庭や役所も
回って、御札を配っていくそうです。

途中で祝い酒を振る舞う家もあり、
いつしか威勢が良くなり、
大変賑やかな行列となるそうです。 

また、「お経さん」は、島内では、
芦辺諸吉、芦辺浦、八幡浦でも行われているそうです。
壱岐の浦部に、今なお残っている伝統行事ですね。 

みなさんお仕事も休んで、早朝よりの大仕事、お疲れ様でした!

*壱岐には、「浦部」と「在部」といういい方が今でも残っています。 
浦部は、海の近くの地区。
在部は、海からは離れた地区。

*中央の男性が持っているのが、一六善神の御絵(ごえ)です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です