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ながさき大漁旗! 五島特派員|ナカムラ|2011.10.12

釣り人~ヒラスズキ編~

 五島の釣りといえば、なんといっても、クロ(めじな)や石鯛釣りが人気。長崎や福岡をはじめ全国から週末になると多くの客がやってきます。一方最近では「ルアー」という小魚に似せた疑似餌を使った釣りもひそかに人気となっています。五島のルアー釣りで一番のターゲットが「ヒラスズキ」。銀色に輝く魚体が美しく、大きいものは、1メートル近くになります。海が時化た日の、しかも荒磯でしか釣れず、その強烈な力の強さから全国のルアー釣りファン憧れの魚として知られています。

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 今回は、若いころからヒラスズキを追い求め、全国のルアー釣り愛好者の中でも名前を知られている、ヒラスズキ釣りの名人、五島在住 荒木潤一さんにお話を伺いました。

荒木潤一さんは、1971年五島市大荒町生まれ。

 有名ルアーブランドima(アイマ)のフィールドテスター(メーカーが開発した釣り製品を実際の現場で使用し、実際に魚が釣れるかや、使いやすさなどをテストする人のこと)で、自身がデザインしたルアーも全国で発売されています。
 全国の釣り雑誌でたびたび紹介され、地元ケーブルテレビの特番などにも出演しています。今まで釣ったヒラスズキの数はなんと約2000尾!どんなお話が聞けるのか、インタビューできる日をワクワクして待ちのぞんでいました。

早速、インタビュースタートです。

中村(以下N)「荒木さんが釣にはまったきっかけを教えていただけますか?」
荒木さん(以下A)「本格的に釣りをやりだしたきっかけは・・・
若い頃に釣具店で見たヒラスズキの魚拓。これを釣りたい!と思ったんです」

N「それは何歳の頃ですか?」
A「20歳頃です。魚拓を見て、なんだこのでかい魚は?!それからヒラスズキに狂ったんですね」

 当時は、ルアーでヒラスズキを釣るということは一般的ではなく釣る為の情報がほとんどなかったそうです。荒木さんは、魚拓に記載されている釣りあげられた場所だけを頼りに、磯場へと通いつづけ、最初の一尾を釣る日までなんと3年もかかったのだとか。


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N「初めて釣りあげた時のことを教えてください」
A「ある日、海がたまたま荒れていて、今日は釣りにならんけど、せっかく海にきたし、とりあえずルアーを投げてみるか、とやってみたら釣れたのです」

N「どのくらいの大きさですか?」
A「75センチです。も〜、その時はうれしくて体が震えました」

 3年経ってはじめて、「ヒラスズキは時化た時に釣れる」ということがわかったそうです。この初めて釣りあげた時に、3本のヒラスズキを釣りあげたというのだから、すごいですよね!

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 ここで釣りの知識ゼロの私の素朴な疑問。

N「餌釣りと、ルアー釣りの違いはなんですか?」
A「ルアーってかわいくないですか?」

N「えっ?それだけ?確かに、ルアーのフォルムってかっこいいです。
  釣りをしなくても集めたくなります」
A「はい。そしてルアー釣りは魚との知恵比べなんです。そこがいいんです」

N「なるほど〜。魚と海との駆け引きを楽しむゲームなんですね」
A「はい。あと、突然、釣りに行きたいと思った時、ルアーならスグに行けるんですよ。餌釣りは、なにかと準備が必要だから」
N「しかも五島ならほんとにスグ磯場に行けますもんね」

 もう20年近くヒラスズキを釣りつづけているのに、全く飽きることなく、いまでも釣るたびにテンションが上がる魚、それがヒラスズキだという荒木さん。

A「ヒラスズキかっこいいです。光ってます。ヒラスズキのなにがいいかというと、まず釣り場のロケーションが素晴らしいんです。溶岩の真っ黒とさらしの白がモノクロームになって、その中で釣りができて最高なんです」

N「釣れる穴場とかはありますか?」
A「ルアー釣りはゲームなので、ポイントを教えてしまうと、教えられた方も面白くないんですよ」

N「自分で探していく楽しみがあるんですね」
A「そこが餌釣りとは違いますよね」

N「五島以外にも釣りに行ったりしますか?」
A「主に鹿児島県のトカラ列島に行きます。そこでは、GT(ロウニンアジ)という鯵のでっかいヤツを釣りに行くんです。
  あとは、四国ですね」

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 島外でも釣りを楽しんでいる荒木さんへ質問。

N「いろんな場所で釣りをした中で、五島ならではの釣りの魅力は?」
A「五島は最高です!魚影が濃いんです。ルアーマンにとっても餌釣りの人たちにとっても、
 五島はサンクチュアリなんです。そこで釣りができる幸せ。
 また何と言っても、釣り場に対して人が圧倒的に少ない。
 こんなに釣れるのに釣り場をひとり占めしていいんですか?と思ってしまいます」

 五島ってすごいですね。さすが、釣り人憧れの島!
私も、せっかく五島に住んでるんだから、
釣りをしないともったいないような気がしてきました。

 そして、3月11日に起きた東日本大震災に大きなショックを受けた荒木さん、自分たちにも何かできないかと考え、「ザマナ・イッキョナCUP」というプロジェクトを立ち上げました。ザマナは五島弁、イッキョナは壱岐弁でどちらも「すごい」とか「とても」という意味。

 大きな一括寄付より小さな継続と思い、同じ長崎県の小さな離島である壱岐をはじめ、全国の仲間にも呼び掛けてはじめたネット上の 釣りトーナメントで、

 毎月500円の参加費を集めて、 それを全額赤十字社に寄付してい るそうです。現在の参加人数は14,5名。

 「けっして役に立てる規模のものではないけれど、遠く西の果ての小島から応援の気持ちを表明したかった」

と語ってくれました。今年いっぱいは続けていきたいと思ってるそうです。

 そのほか、釣り仲間と海を守る活動として、釣り場の清掃も行っています。「ショアクリーン」という名前でネットなどで呼びかけ、20〜30人の参加者が集まるそうです。

A「やっぱり、ずっとヒラスズキ釣りたいしね」

 そう語ってくれた荒木さん。五島の海と魚をこよなく愛していることが、ひしひしと伝わってきます。

最後に、
N「荒木さんにとって釣りとは?」
A「人生ですね。釣りはやめられないです」

 そんな荒木さん、魚は大好きだけど、食べることが苦手だそうです。釣りあげた魚は、ほとんどキャッチアンドリリース。自然と共存しながら楽しんでいて素敵です。

 みなさんもぜひ一度、五島の素晴らしいロケーションで釣りをしてみてはいかがで すか?

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荒木潤一さんブログ jetty

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