島の祭り 対馬特派員|鍵本|2011.09.01

8月18日厳原町豆配で行われた「カンカン祭り(浮船神事)」



 対馬のお祭り第1弾は、厳原町豆酘に1000年前から伝わるという伝統行事、カンカン祭りをご紹介します。神功皇后が三韓征伐の際、当地より朝鮮半島に出航した様子を模した御出船まつりで、私も今回初めて見学させていただいたんですが、とっても面白いお祭りでしたよ。

 住民のみなさんは多久頭魂神社内の観音堂に集まり、2枚の板船の両舷にその場で削った竹ヒゴを立て、それぞれの船に赤と白の布を巻きつけた紅白2艘の船を完成させ、浴衣やはかまに着替え疫病除けや海上航海安全の祈りをささげました。その後、白船を担いだ宮司さんを先頭に太鼓やドラ、笛を鳴らしながら豆酘の海岸まで練り歩きました。(カンカン祭りの名称は、この鳴り物を鳴らす様子から付けられたそうです)観音堂から約1.5kmの海岸では、紅白2艘の船を海に浮かべ、近くの小松崎神社へ奉納しました。


 上の写真は海岸近くにある皇后がこの石に腰掛けたと伝わる「神功皇后由縁の石」で、お供の人たちはこちらで陣を張ります。(この石に腰掛けるとお腹が痛くなると言って、粗末に扱わないよう大切に保存されてきたと地元の方に伺いました。)

 1960年頃まではこのお祭りを見ようと黒山のように人が集まったそうです。
その当時は船を浮かべている間にお供の人たちが、周りの観衆や子供達を襲い「神功皇后由縁の石」に立てた陣営に連れ帰る「さかのぼり」という行事があり、捕えられた人は 一行が観音堂へ戻るときに祭事で使った道具を持たされたとのこと。最近では子供も少なく、観客もほとんどいないため行われていないと伺いました。この日も ほとんどが報道関係者で、一般の方は少ないようでした。(私も捕まってみたかったです・・・)

 毎年8月18日に行われるカンカン祭り。みなさんも対馬に来られてぜひ捕まってください!一生の思い出になりますよ!

 このお祭りの様子は、息子がビデオで撮ってくれたのでアップしてます。(神社の鳥居を出るときに「皆の者!出陣じゃ!」と言ってたのですがビデオでは録音されてないようです(^^ゞ。

■場所:厳原町豆酘 多久頭魂(たくずたま)神社 観音堂(境内に入り手水舎から右に石段を上ります)
■日時:毎年8月18日午後1時より
■アクセス:厳原から車で30分(この時間バス(バスPDF時刻表)浅藻浜行きに厳原バス停で乗車、豆酘で下車。
バスは本数が少ないので、レンタカーやタクシーが便利です。(25分~30分)
バスは空港から厳原町久田地区の区間以外は、バス停以外でも自由に乗降できます。「神功皇后由縁の石」へは、あらかじめ豆酘小学校の前で降りる旨乗務員に伝えておき、バスを降りたら道路を渡って海岸方向へ南に歩いてください。

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