島の祭り!|対馬特派員取材|鍵本|2012.5.10

漁港に映える海照らし ひとつばたご祭り




皆さんは「ひとつばたご」という木をご存知でしょうか?海外では中国や朝鮮半島の東アジア。日本国内では対馬と愛知、岐阜などに自生しており、毎年5月になると真っ白い花を咲かせる落葉高木です。対馬の北端にある鰐浦(わにうら)では、ひとつばたごの開花に合わせ、ゴールデンウィーク中に「ひとつばたご祭り」が行われます。



 ここ、鰐浦地区には約3000本のひとつばたごが群生しており、その規模は国内最大で天然記念物にも指定されています。今年ひとつばたご祭りが開催されたのは5月5日。例年だと開花にはまだ10日ほど早いのですが、今年は見事に真っ白い花が咲いていました。

 対馬では、海岸沿いに自生しているひとつばたごの花が、海面を白く照らすことからこの木を「ウミテラシ」とも呼びます。鰐浦の漁港から見るひとつばたごは、新緑の中に雪が積もっているようでとてもきれいでした。



 普段は静かな漁港の鰐浦も、お祭りの今日は島内外から大勢の観光客が訪れとても賑やかです。
広場には、地元の商店や生産者の方々が出店しており、美味しそうな匂いが漂っていました。



 この鰐浦は、日本書紀にも和珥津(わにのつ)として記されている古い集落で、対馬の中で韓国に一番近い場所です。韓国展望所からは、気象条件がよければ釜山の街並みを望むことができます。古来、朝鮮半島と日本を行き来していた人々もこの景色を愛でたことでしょう。

 また、最近では「ひとつばたご」の苗木も販売されており、家庭の庭に植えられたり、街路樹として植林されているのを島内各地で見かけるようになりました。

場所:長崎県対馬市上対馬町鰐浦
日時:毎年5月の連休に開催(平成12年は5月5日)
アクセス:厳原から81km。車で約2時間
連絡先:対馬観光物産協会上対馬支部 0920-86-4838


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