ご利益ヨロシク 対馬特派員取材鍵本泰志|2015.2.3

対馬卜部の祖 雷大臣命が祀られた太祝詞神社

インターネットや雑誌で人気のコンテンツというと占い。占星術、四柱推命、タロットカード、易など数多くの種類がありますね。というわけで今回は、対馬卜部(ウラベ)の祖が祀られた太祝詞神社(ふとのりとじんじゃ)をご紹介します。



ヤマト朝廷の時代、国家の行く末を占うのに、海亀の甲羅を利用した亀卜(キボクまたはカメウラ)を行っていました。その起源は古代中国の殷王朝で、古くから行われていました。この時代、対馬から10名、壱岐から5名、伊豆から5名の卜部が神衹官として都に招かれています。

 霊験あらたかな名神大社として、延喜式神名帳に載っている太祝詞神社のご祭神は、太祝詞神(天児屋根命:あめのこやねのみこと)と、その十四世孫と伝えられる雷大臣命(いかつちおおおみのみこと)。

 天児屋根命は天岩戸神話で天照大神が岩戸に隠れた際に祝詞を唱え、鏡を差し出したという神様で、祝詞と出世の神。雷大臣命は卜術が優れており、神功皇后の三韓征伐に従軍した後対馬に残り、祭祀のやり方を教えたり、太占(フトマニ:鹿の肩骨を焼いて占う)や亀卜を伝えた対馬神道、卜部の祖といわれています。

規模は小さいですが、名神大社だけあって境内はリンと張りつめた気が流れていて、清らかな気持ちで参拝することが出来ました。拝殿の隣には雷大臣命の墓といわれる石塔があり、そのたたずまいから地元の方から大切に祀られている様子が感じられました。

対馬特派員 鍵本泰志

名称    太祝詞神社(ふとのりとじんじゃ)
住所    長崎県対馬市美津島町加志
アクセス  厳原港から国道382号線を北上、十八銀行美津島出張所の三叉路を左折し、県道24号線を進む。
今里と加志の分岐を加志方面へ左折。厳原から約24km、車で30分~40分。途中、道路が狭く離合しにくい箇所がある。

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