ご利益ヨロシク 対馬特派員|鍵本|2011.12.16

天道信仰の聖地 八丁角(郭)

 今回のご利益ヨロシク・パワースポット特集では、古より俗人が立ち入ることを禁じられていた「オソロシドコロ」厳原町、浅藻(あざも)にある八丁角(郭)【はっちょうかく】をご紹介します。最近ではテレビ番組などでも取り上げられ、いかにもミステリースポットのように思われていますが、はたしてその正体は?・・・





 浅藻(あざも)は、中世(室町時代)には人が住んでいたようですが、江戸時代には無住の地となり卒土(そと)と呼ばれ禁忌の地として恐れられていました。八丁角(郭)は天道信仰の聖地として崇められており、石積みの塔は天道法師御入定の地と伝えられています。

 天道信仰については諸説ありその発生はよく解っていませんが、古代からの太陽崇拝と山岳信仰の修験道がミックスされたものではないかと思われます。天道法師は、その母が日光感精して673年に対馬の内院(ないん)で生まれたとされる修験者ですが、文武天皇の病気を祈祷で治し宝野上人の号を賜るほどの実力者で天道信仰の中心人物です。

 なぜ、この地がオソロシドコロとして俗人の立入りが禁じられていたのかも諸説ありますが、おそらく修験道修行の神聖な地として一般の人が立ち入ることを禁じたのではないかと思います。鳥居を抜け、森の中の小道を進むと板根(ばんこん)の木や地盤が固く充分に根が張れなかった数本の木々が根っこごと浮き上がっていたりと、不思議な光景を目にしました。

 鳥居から10分ほどで石積みの塔に到着しました。この日はよく晴れていたのですが、周りの木々に囲まれて少し薄暗く感じました。石積みの底辺は正方形で高さは3m程度。対馬の各地に残るヤクマの塔よりかなり大きいものです。少し勇気がいりましたが小さな木の鳥居をくぐり、お参りして、石積みに背中を見せないように後ずさりで木の鳥居まで戻りました。(祟りを逃れる為に、こうするという言い伝えがあります)お参りした後は、この地のパワーのせいか、森林浴効果のせいか解りませんが気分が悪くなることも無く、前より元気になったような気がしました。

 下の鳥居から石積みの塔までの行程をビデオを回しながら歩きました。人の手が入ってない森の中で小川のせせらぎや小鳥のさえずりも聞こえてきます。

名称:浅藻 八丁角(郭)
場所:長崎県対馬市厳原町浅藻
アクセス:厳原から車で40分程度(内院経由)
ご注意:天道信仰の神域です。安易な気持ちでの立ち入りはご遠慮ください。


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