対馬の北西岸、上県町佐護(さご)地区に天神多久頭魂神社(あめのかみたくずたまじんじゃ)があります。厳原町の豆酘(つつ)地区には多久頭魂神社があり、対馬の北端と南端でこの2社がペアになっています。
境内へ続く道に漁業用のフロートが落ちていました。いかにも漁村にある神社らしいですが、ここ佐護地区は農業も盛んで、特に佐護米といえば味の良さから島内での人気が高く生産者市場等でよく販売されています。
天神多久頭魂神社は今から1000年以上前の平安時代にまとめられた全国の神社一覧「延喜式神名帳」に「天神多久頭多麻命神社」として記されている名神。大きな社殿を持つ神社をイメージしていたのですが、訪れてみると予想に反して社殿は無く、祭壇があるだけの小さな神社でした。
ここで不思議に思ったのは、境内に一歩足を踏み入れると体の奥がポカポカしてきて、晴れ晴れした気分になったこと。この土地がそういう場所なのか、神様のおかげなのかはわかりませんが、思わず「良い場所だな~」とつぶやきました。
後で調べたところ、神社から佐護川をはさんで対岸に千俵薪山(天道山)があるのですが、この神社は天道山にいる神様を拝む場所らしいので、社殿が無く祭壇だけなのもうなずけます。
神社近くの海岸は、北西の強い風が吹き白波が立っていました。この日は見えませんでしたが、水平線の向こうは韓国です。
社殿もなくこじんまりとした天神多久頭魂神社ですが、境内は日当たりが良く不思議と気持ちの良い場所でした。私も取材で多くの神社を訪れていますが、今回のような感覚は初めてでした。
この近辺は、天然記念物のツシマヤマネコが見れる野生生物保護センターや棹崎公園など見どころがいっぱい。皆様も対馬へお越しの際は、訪れてみてはいかがでしょうか?
名称:天神多久頭魂神社(あめのかみたくずたまじんじゃ)
場所:長崎県対馬市上県町佐護字洲崎西里
アクセス:厳原から約67km。車で1時間30分。
より大きな地図で 天神多久頭魂神社 を表示