ご利益ヨロシク 対馬特派員取材|鍵本泰志|2015.8.11
今も語り継がれる美女伝説 鶴王御前
対馬の南端、豆酘(つつ)集落に古くから語り継がれる美女伝説。今回は美人に生まれてきたが為に、自らの命を絶った鶴王御前の物語をご紹介。
美女塚の横に、その由来があるのですが、写真では読みにくいので書き写したものも掲載します。
采女(うぬめ)とは、朝廷で天皇やその家族の身の回りの世話をする女官のこと。その条件は容姿端麗で高い教養が必要とされていました。どちらも持ち合わせていた鶴王御前ですが、物語では、郷里に残していく老いた母親が心配で村を出てすぐに自らの命を絶ってしまします。その際に今後、豆酘には美人が生まれぬようにと願うのですが、その願いは神様に聞き入れられたのでしょうか?
昔から豆酘には美男美女が多いということは言われていました。確かに私のような胴長短足の日本人体型ではなく、すらっとバランスのとれた体型の方が多いようです。美人となると鶴王の時代と現代では基準が違うでしょうから一概に言えませんが、美人は結構な確率でいるのではないでしょうか?
豆酘にハギトージンという仕事着があります。色々な柄を組み合わせた筒袖のこの着物、美女塚伝説とあわさって、美人に見られないようにツギハギの仕事着を着ていたと伝わっていますが、昔の写真などを見ると、実際はそれぞれの娘たちがパッチワークの着物で、おしゃれを競っていたように感じます。
悲しい物語の美女塚伝説ですが、現在は公園や駐車場が併設されて、訪れる方も多いようです。対馬へ来られたらぜひ、こちらをお参りしてください。美人になれる!かもしれませんよ~
対馬特派員 鍵本泰志
名称 美女塚
厳原市街から車で41分18.9km
住所 長崎県対馬市厳原町豆酘