ながさき大漁旗! 対馬特派員|鍵本泰志|2015.4.10
新しい漁業の取り組み 阿須湾漁協
厳原町の北東部に阿須(あず)という小さな漁村があります。私は幼い頃ここで暮らしていましたので、私にとっての原風景でもある懐かしい場所です。湾内に係留してある漁船を見ると昔と変わらず1本釣り主体の漁師さんが多いようですが、近年では温暖化、磯焼け、燃料費の高騰などで生活は厳しい状況に置かれています。
そこで阿須湾漁協では漁業所得の向上を図るため様々な取り組みが行われており、その中のひとつに昆布の養殖があります。昆布というと北海道や東北など寒流が流れている地域のもだと思ってましたが、暖流が流れている対馬の昆布はどんな感じでしょうか?生産者が直接販売する日曜朝市でこの昆布を販売するというのでさっそく早起きして伺いました。
朝市の会場ではトロ箱に地元で獲れた様々な鮮魚や一夜干し、野菜などが並べられ販売されています。その一角に阿須湾漁協と書かれたテーブルがありました。お話を伺うと5年ほど前から昆布の養殖に取り組んでおり、その品質の良さから現在は福岡のデパートへ出荷するまでになったとのこと。食べ方を尋ねると「さっと湯がいたら色が緑に変わるけ、それに酢ジョウユをかけて食ったら美味いよ。最高!」と言われさっそく1袋を購入。1㎏入りで300円でした。
その場で袋の口を開けてみると、磯の香りがする新鮮な昆布がぎっしり。これは期待できそうですね。
家に帰ってさっそく料理。カットしているときのネバネバがすごく、とても体に良さそうです。まずは漁師さんに言われた通り、湯通しした昆布に酢ジョウユをかけたもの。食べてみるとあっさり、さっぱりした中に旨味があり最高!(もう少し細切りにした方が良かったかも。ワカメみたいですね)さらにご飯のお供として佃煮も作ってみました。こちらも湯通しした昆布を濃口しょうゆ、日本酒、砂糖、水、みりんで水分が飛ぶまで煮るだけの簡単料理。ご飯が炊きあがるのが待ち遠しいくらいの美味しさでした。
阿須湾漁協のみなさんが大切に育てた養殖昆布。この成功がさらに拡大して全島の漁業が活性化すれば良いですね。
対馬特派員 鍵本泰志
阿須湾漁協の養殖昆布販売
場所 長崎県対馬市今屋敷 ティアラ
日時 4月5日、12日、19日、26日の朝8時30分から売り切れまで