愛しの島グルメ|対馬特派員|鍵本|2011.09.19
対馬の「ろくべえ汁」
「六兵衛」というと島原の郷土料理として有名ですが、実は対馬にも古くから伝わる麺料理「ろくべえ汁」があるんですよ。
どちらもサツマイモを原料として使うのは一緒なんですが、島原の「六兵衛」はサツマイモの粉に山芋を混ぜつなぎにするのに比べ、対馬の「ろくべえ汁」は砕いたサツマイモを水に晒し発酵させた後何度も水に晒して沈殿した「白せん」から出来る「せんだんご」を使います。(ちなみにこのせんだんご。完成までに千の手間がかかることからこの名前がついたとも言われるくらい作るのが大変らしいです。)
また、ダシも昆布やカツオブシを使う島原に対し、対馬ではクロイオと呼ばれるメジナを黒く焼いたものや対馬地鶏、ドンコ椎茸でダシをとり、茹でた麺の上から掛けて食べるんですが、ほんのり甘くやさしい味は子供から大人まで大好きで地元の方に愛されている島グルメです。
この料理、韓国の観光客の方にも人気があります。不思議に思い韓国の知人に尋ねたら「韓国ではチャプチェと呼ばれる春雨と野菜を炒めた料理があり、それに使用する春雨はサツマイモのでんぷんから作られているので「ろくべえ汁」も違和感無く食べられる。」ということでした。
元々は農村で農繁期のエネルギー食として食べられていた「ろくべえ汁」。最近では島内のあちこちで提供されていますので、対馬にいらした際はぜひ、召し上がってくださいね。ほっとする味に癒されますよ。
場所:島内の御食事処、ホテル、食堂など お問い合わせ0920-52-1566(対馬観光物産協会)
郷土料理づくり体験:お問い合わせ0920-57-0775(郷土料理保存会所属・権藤令子)体験メニュー