インターネットで「限界集落」の定義を調べてみました。
過疎化・高齢化が進展していく中で、経済的・社会的な共同生活の維持が難しくなり、社会単位としての存続が危ぶまれている集落。中山間地域や山村地域、離島などの社会経済的条件に恵まれない地域に集中している。大野晃・高知大学名誉教授が最初に使い始めた概念だ。
へー、そーなんだ。
離島に暮らしている私としてはすごく嫌にしか聞こえない言葉です。否定的なニュアンスしか感じないのは私だけかな? 私は(とても)シアワセなんですけど。
でも、これってあくまでも学者とか行政とかの机上の数字だけ目線のような気がして仕方ないんですけど。 そこで暮らしている人たちの気持ちを考えてはいない気がします。そもそも「社会経済的条件」ってなによ。便利さが一番だよ。不便で可哀そうだね。ってなんとも上から目線じゃないですかー。
ずっと、その土地で暮らしてる人たちの全てが快適さや便利さを求めていると思ったら大きな間違いだと思います。優しくて懐かしくてほろ苦い記憶が染み付いている生まれ育った土地、空や空気、さらに臭いなどは、他人がはじき出す数字では絶対にわからない財産です。
五島には多分「限界集落」と分類される集落はいっぱいあると思います。上の写真はまさにそのひとつ。
福江から車で40分ほど山道を走ったとこに突然、集落を案内する手作りボードが見えます。なんと読むかわかりますか?
ナント!キンナゴアジロと読むそうです。キンナゴという漢字を初めて知りました。本当はキビナゴなのかな。 おしゃれなボードです。
矢印の通りに道を左に下ると、体感では60度はあろうかという急坂で車が前転するんじゃないかと思ってしまいました。
冷や汗かきながら波止場にたどり着くと3軒ほどの家がありましたけど、どうやら生活をしている家は1軒だけの様子です。犬と暮らしてるみたい。
(でも、後で事情通に話を聞いたら、この人も住んでいるんじゃなくて、近くの少し大きい集落に引っ越して今は漁だけをしにここに来てるそうです。犬を連れて・・・)
ここから、さらに15分ほど車で進むと左手にこんな岩が見えて来ます。
アップにするとこんな感じ。
通称ホゲ岩。 ホゲとは五島弁で穴のことです。 そのまんまやないかい!
でも自然は偉大なり、です。
さらに走ること5分ほどで、今回の目的地「限界集落!」の間伏(まぶし)集落に着きます。
ここも集落入口にはこんなお洒落なボード。
住宅はこの写真に写っている他に上の方にあと2軒あります。
実はこの間伏集落には今は誰も住んでいません。 理由は「限界集落」だから住民は強制移住。 緊急自動車が来るのにコストがかかりすぎるから、みたいです。 たまたま訪れた日にかって自分が暮らしていた家の掃除に来ていたおばあさんに話を聞くことができました。
おばあさんは「つらかよー」「ここのほうが良かよー」って言ってました。・・・
この日は防波堤にも釣り人が数人いて、その中の一人は福岡から原付で釣りに来ていたナイスガイ(古っ)でした。
今回は、ちょっと固くなってごめんなさい。
先ほどのキンナゴアジロの手前、車距離で約10分ほどのところ、道の右側にもこんな「限界集落」。 半泊の集落です。 ビューティフルでしょ。
間伏もキンナゴアジロも半泊も車じゃないと行けないと思います。福江港から北西方向、かの有名な堂崎教会方面へ走ってください。
五島特派員 庄司好孝