五島のお盆

五島では、お盆になると夜お墓に家族が集まります。墓石の周りを木の枠で囲い、そこに提灯をつるして灯りをともします。どこの墓も同じです。お盆の3日間、夕暮れになるとそれぞれのお墓に、それぞれの家族が集まり、提灯をともす。線香を立ててご先祖様に手を合わせます。そして、親類のお墓や、親しかった人のお墓にも線香をたててまわります。そこで、しばらく会っていなかった親類の人たちと近況を報告しあったりします。子どもたちは、お墓の敷地内で花火をします。爆竹も鳴り響くので、お墓中、けっこうにぎやかです。

お墓に集まるしきたりは、五島の人にとってとても大切なものなので、お盆の3日間は、都会からたくさんの人が帰ってきます。街は急ににぎわいます。同窓生と会ってお酒を飲んだりするのもこの時期ならでは。島の人と人、都会に出た人と島の人を、お盆がつなぎあわせている。ご先祖様たちのたくらみなのではないか、とさえ時々思います。

そんなわけで、私は、お盆のときに墓にいるのがとても好きです。なんだか落ち着きます。いろんな人に会うことで、自分がだれなのかを再確認しているようにも感じます。最終日の15日には、提灯をつけていた木の枠を取り外します。島を離れている人たちは、「来年もまたくるけんね」とお墓に声をかけて、その場を去ります。観光客の方たちはなかなか目にすることはないと思いますが、私の中で、お盆の夜のお墓は、五島の中でもいちばんオススメしたいくらいの名所です。

「五島のお盆」への4件のフィードバック

  1. こんにちは。
    はじめまして。ときどき、ブログ見させてもらっています。
    質問なのですが、9月10日〜20頃にそちらに観光を考えていますがまだ海水浴などはできる気候でしょうか?
    すみませんがよろしくお願いします。

    1. >ゆみさま
      コメントありがとうございます。五島は西日本の一般的な気候の感覚と変わらないと思います。海水浴は8月いっぱいですね。9月は気温的にはまだまだ泳げるとは思いますが、8月の終わりごろからクラゲ(刺されるとチクリと痛いやつ)が増えるので、五島の人はあまり泳がないように思います。でも、人の少ない9月のビーチはきっと美しいと思います。ぜひ五島を楽しんでください!

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