島の細道 長崎特派員取材|しましま|2015.1.15

今や都市伝説!? どんの山を行く


昔、「ど~ん」と山から大砲が鳴っていた。だから、どんの山という――長崎市内にお住まいの高齢者に、この話を聞いたとき、正直、私は嘘だろうと思っていた。今回の細道は、そんな都市伝説的な話を紐解くべく、どんの山を目指します!


スタートは、英国聖公会会堂碑(写真右)の横の石段から。英国聖公会会堂は、1862年(文久2)に建てられた日本初のプロテスタント教会。石碑は東山手5番地にありますが、教会の所在地は11番地だったとか。なんと大浦天主堂が建つ3年ほど前にはあったといわれています。石段は居留地時代のもので、外国人が礼拝に行くときにこの道を通ったことから、オランダ坂と呼ばれていたそう。オランダ坂といえば、活水学院のところが有名ですが、こちらの坂もオランダ坂。実は、長崎市内の数ヶ所にオランダ坂の名称の坂があります。どの坂も風情があって美しいですよ。

歴史深い石段を上り、右側に現れるのが海星学園です。海星といえば、スポーツがさかんなイメージがあるけど、なるほど、周辺のゆるやかな坂道で自然に脚力がついたとみた。

海星学園から少し上ったところ。実は、どんの山までの詳しい道のりを知らない私。とにかく山の上を目指すことにしました。





二股に道が分かれていたので、右の方へ。グランドがあり、近くに乗り合いタクシーの停留所を発見。1時間に1本程度、走っている模様。いいですねぇ。買い物とか便利そう。





グランド横をふと見ると、上大浦小学校跡の石碑がありました。















グランドの横道は、わかりにくいと思い、もうひとつの道の方へ。「注意」の文字になぜだか緊張感が走る。細道でゆるやかな上り。この道は、きっとどんの山に続いているはず。



!? 車も通るの!? 道幅は軽自動車1台分。しかもスレッスレ。この先はUターンもできないので、どうやら地元の方が使用しているみたい。



「注意」のところから少し上ったところ。レンガ塀といい、なだらかな坂道といい、長崎らしい風景に出会えます。しかし、さっきの車、本当にココを通ったのだろうか……。

住宅地を抜けるとお墓地帯に入ってきました。え、道、間違えた? でも公園らしき木立が見えてきたので、行ってみることに。








到着!! 野生のカンのみで上ってきたかいがあった。さきほどのお墓のところからひたすら上へ行くと、このだだっ広い公園にたどり着きます。




「どんの山公園」。看板を見てひと安心。







公園を囲むように遊歩道がぐるりと一周あったので、歩いてみました。道沿いの木はきっと桜に違いない。春が楽しみですな。




遊歩道を歩くと「どんの山」の名称のルーツとなった大砲があります。説明書きによると、正午にこの山から、この大砲で鳴らしていたそう。ちなみに昭和16年まで続いていたとか。矢上地区まで聞こえていたと、私の知り合いがいってました。

遊歩道からは長崎港も見渡せます。ちょっと坂道できつかったけど、この光景を見たら疲れも吹っ飛びました。長崎って本当によかところがいっぱい。

英国聖公会会堂碑~どんの山公園

徒歩で片道約20分

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