今回の五島の祭りは、以前もご紹介した「へトマト」の体験編です。
「へトマト」とは、古くから下崎山地区に伝わる祭りで、国指定の重要無形民俗文化です。
いくつもの行事が1日で行われる奇祭としても全国的に有名なので、今年も各地から取材の記者やカメラマンの方々が来ていました。
まずは、「奉納相撲」の見物をしに白浜神社へと向かいました。
そこでは、地元の方が作った、あったかいぜんざいをいただきながら、相撲が始まるのを待ちました。
地元の保育園の園児たちの取り組みで「奉納相撲」がスタートします。
寒い中、ふんどし姿で一生懸命に取り組む姿がなんともかわいらしく、応援にも力が入りました。
園児から大人までの取り組みが暫く行われ、相撲が終わると、海岸近くの路地へと場所を移動します。
ここから、「へトマト」の特徴でもある、ヘグラ塗りが始まります。
「ヘグラ」とは、墨のことで、ヘグラが入ったバケツを持った青年団の方が誰かれ構わずに顔にヘグラを塗っていきます。
塗られた人は、この1年無病息災で過ごせるという言い伝えがあります。嫌がっても、怒っても、そんなことお構いなしです。
もちろん、取材の記者もカメラマンもこの通り。
ヘグラ塗りが続く中、地元の新婚女性による「羽つき」が始まります。
酒樽の上に乗って、勝敗は関係なく、子宝と安産を願って、羽を付き合います。
綺麗な着物に墨が付かないのだろうかと少し心配してしまいました。
続いて、青年団と消防団に別れて、豊作と大漁をかけ藁玉を奪い合う「玉けり」と「綱引き」が行われます。
直径40センチの大玉を空高く投げ合っていて、よそ見をしていると、見物している私たちの傍にも飛んでくるので注意して見ておかないといけません。もちろん、この時も、ヘグラ塗りは続いているので、ヘグラと大玉と両方から目が離せませんでした。
そして、「へトマト」メインイベントでもある「大草履の奉納」山城神社へ奉納する途中、見物している未婚の女性を無理やり担ぎあげ、わらじの上に乗せ、「子孫繁栄」を願って、胴上げをします。
もともとは、未婚女性という言い伝えだったものですが、今では既婚女性でも担ぎあげられていました。
初めて、「へトマト」に参加しましたが、こんなに楽しい祭りだとは知りませんでした。
また来年も絶対参加したいと思います。
みなさんも、是非「へトマト」体験してみてはいかがですか?
場所 下崎山地区
日時 1月の第3日曜日
午後1時ころスタート
アクセス 福江港・福江空港から下崎山地区まで車で15分