島の祭り!|長崎スタッフ取材|しましま|2016.1.18
30年続く元村地区の節分祭
2016年1月も、はや中盤へとさしかかってきました。みなさま、いかがお過ごしですか? 今回のお祭りは、もうすぐ節分ということで、西彼杵郡時津町にある祐徳稲荷神社の節分祭をご紹介したいと思います。実は、昨年、節分祭にお邪魔したんです!
祐徳稲荷神社では、毎年18時からお祓いが始まるとのことで、18時ちょい前に自宅からすでに仮装……いや衣装を身に着けた人々が祐徳稲荷神社へとやってまいりました。
裃姿の年男、天狗、女装した方まで。いろいろなお姿の方がお祓いを受けていました。演者(?)さんらは、地元の元村地区の人々が中心だそう。無事節分祭がすむようにお祓いを受けます。10分ほどで終了。
お祓い後、大王や天狗に扮した人々が、一般家庭に出向く前に、まず、社務所内を鬼払いします。入る順番も決まっていて、大王→年男→天狗→福娘2名→高砂婆→高砂爺→恵比須さま→大黒さまと続きます。大王が「鎮地府の将軍 国 摂津守 源頼光 彰子が岳に 鬼が住家をなしている その鬼が下るか 下らぬかために始まったる鬼豆打ちなり」といって中に入ります。こちらの豆まきは、ただ豆をまくのではなく、物語があるみたい。
大王に続いて年男が入ります。手には豆まきの升が。
次は、迫力満点の天狗登場。
天狗の次は福娘。場の雰囲気を和らげてくれます。
続いておばあさんの高砂婆。腰を曲げた姿勢は、たとえ若者であっても腰にきそう。おばあさんとくれば、お次はおじいさんの高砂爺。おばあさんは「もっとも もっとも」、おじいさんは「その声 その声」というセリフです。
おじいさんまで揃ったら、家の中をぐるぐる回りながら豆をまきます。
みんなが外に出たら、恵比須さまが登場します。「親も代々 子も代々 代々伝わる福の神 福はこの家にどてんどっさり」と大声で叫びます。
最後は「福は内 福は内」といいながら大黒さまが、大きなうちわをふります。この寸劇(?)を各家庭へ出向き、行います。厄払いとはいえ、たいへん!
恵比須さまはセリフにある「親も代々(だいだい)~」の代々にかけて、縄に通した果物のダイダイを持ってます。時々、家のご主人とひっぱりあいに!? このダイダイにふれると縁起が良いそう。
普段見慣れない仮装集団に、子どもが泣き叫ぶかと思いきや、そこまで泣きじゃくる姿もなかった。鬼役がナイので、ビビらせる必要もないか。豆の片づけはたいへんそうですが。
3班に分かれて、2時間ぐらい回りました。各家庭で、お酒やご当地スイーツの時津まんじゅうなどいろんなお接待も受けました。すっかり日も落ち、冬なので寒い。だけど、節分祭は厄を祓い、新しい年への豊作を祈願する大事な神事。元村地区では、30年続いているそうです。地域のオジさまたちの頑張る姿がかっこよかった。
「持っていかんね」と私もまきものをいただきました。お札と、アラフォーな私でも年の数だけ食べられる煎り豆と、5円玉が入ったお守り。ご利益ありそうです。拝観したい方は、祐徳稲荷神社で見るのがベストかも。
祐徳稲荷神社節分祭
2016年1月31日(日)18時~
場所 祐徳稲荷神社
※お祓い後は元村地区を巡