島の祭り!|長崎スタッフ取材|しましま|2015.10.21
秋の郷土芸能を大・大・大満喫!
秋、真っ盛り。長崎のお祭りも真っ盛り。秋は、長崎各地で浮立やみこしなどの郷土芸能がさかんですな~。今回のお祭りは、そんな郷土芸能を見るにはもってこい! 長崎市で行われた長崎郷土芸能大会を激写しました。
長崎市民会館で演舞が行われる前に、近くの浜町アーケード辺りで、出演団体によるパレードが行われました。以前、このコーナーでも紹介した若宮稲荷神社竹ン芸。アラ~、可愛いお子さん❤
祭り囃子に浮かれた白狐(びゃっこ)が竹やぶで遊び戯れる姿を表現しているそうです。ん? おもむろに竹をセッティング。
キャー。さっきの子どもが、あっという間にのぼっちゃった。普通なら「おイタしちゃダメーッ」っていわれるでしょうが、伝統芸ですからね。高所恐怖症の私は、ヘンな汗をかきました。
お次は式見女角力です。明治38年頃、女相撲が旧式見村に巡業したとき、女力士に踊りを教えてもらったのが始まりといわれています。その女角力を盛り上げるべく、この太鼓部隊が先に登場。飛びながら打つといった有酸素運動を繰り返しながら舞う……カッコイイ。
アーケードの真ん中を土俵に見立てて、角力取り踊りがスタート。アーケードでは、時間の都合上、省略されていましたが、本番の市民会館では、土俵入りや弓取りなど、おなじみの所作が丁寧に描かれていました。
崎上浮立です。長崎市三重の崎上(さきあげ)地区に伝わる踊り。雨乞い、五穀豊穣を祈願しています。踊りの衣装が、白装束に赤ダスキなので白狐(びゃっこ)浮立と呼ばれているとか。ここにもお狐さまが。一糸乱れぬ動きと、銀色サラサラヘアも気になりました。
平山の大名行列です。1866年(慶応2)、下級武士・山崎武右衛門らが、深堀城下に出入りしていたときに、大名行列に関する巻物を手に入れ、指南役を仰せつかったことがきっかけ。以前から伝えられていた浮立の囃子に振付けて、地元の天満宮に奉納したとか。先頭を行くのは、お殿さまかしら。
かけ声とともにこぶしを前に出しながら歩く振付けが勇ましい。思わず真似したくなりました。豪華な行列用具が印象的です。
長崎市の大会でしたが、今年、特別に大村市から黒丸踊も参加。なんと戦国時代から伝わる踊りだそうです。領主・大村純伊の領地奪還の祝いの際に踊られました。早くから、県指定無形民俗文化財として指定されていましたが、昨年、大村の郡三踊(寿古踊・沖田踊・黒丸踊)のひとつとして、国指定重要無形民俗文化財になったばかり。大花輪の下に入ると幸せになるといわれています。直径5メートル、重さ60キロにもなる大花輪を、太鼓を打ち鳴らしつつ、ゆっくりと回します。幸せ、カモ~ン。
最後は滑石竜踊(じゃおどり)。長崎本籠町の龍踊を伝承している竜踊で、1877年(明治10)に、滑石太神宮に奉納したのが始まり。竜踊は全国的にも有名ですよね。疾風のごとく、玉追いをする竜の姿に、アンコールの意味を持つ「もってこーい」の声がかかりっぱなしでした。
私の「勝手にベストパフォーマンス賞」は、平山の大名行列です! 歩きながらフォーメーションを変えていく様は、まるでスローテンポなマスゲームのようでした。よく間違えないなぁ。江戸時代の参勤交代を今に伝えます。
そして、もうひとつも平山の大名行列から。アクロバテックな太鼓です。側転して太鼓を打つ振付けもあり、かなりハードな動きでした。気がつけば大太鼓の上に人が……!! 某有名雑技団を思い出しました。長崎郷土芸能大会は、今年でめでたく40回めを迎えたとか。入場料も無料だから、来年、ぜひ足を運んでみてください!
平成27年10月4日(日)
第40回記念大会 長崎郷土芸能大会
長崎市民会館体育館
※パレードは浜町アーケード界隈