まだまだ寒い日が続きますが、長崎各地は、早くも春気分が味わえるお祭りづくし。そういえば、暦の上ではもう春!ですよね~。今回、ご紹介するイベントもそのひとつ。春を感じつつ、温かな気分にひたれるお祭りです。雲仙市国見町で行われている「緋寒桜(ひかんざくら)の郷(さと)まつり」にお邪魔しました。まずは、歴史深い通りを散策してみましたよ。
平成17年に伝統的建造物群保存地区の指定を受けた神代小路(こうじろくうじ)。江戸時代の区割りを、今でもほぼ残しているとか。10年ほど前に来たことがありましたが、この通り、こんなにキレイだったかな? 写真右側の立派な石垣が鍋島邸です。
鍋島邸を訪ねてみることにしました。長屋門の受付で入館料を支払い(大人300円)、くぐり抜けると記念スタンプ発見。記念スタンプを見ると、無意識のうちに押している私は、今回も迷うことなく紙にプッシュ。国指定重要文化財の文字がまぶしい。記念にどうぞ。
堂々たる緋寒桜と鍋島邸の主屋。緋寒桜は、2月中旬から3月にかけて咲きます。広い庭園には、芍薬やヤマボウシ、藤棚もあり、春夏秋冬それぞれのお楽しみが。
鍋島邸の庭園をぐる~り回ることに。このしだれ梅は、撮影時(2/22)が満開だったみたい。遠くからでも梅の香が立ち込めて、春気分一色になりました。
面積約3000㎡という広大な庭園は、ガーデニングが好きな方はもちろん、素人な私でもその凄さを感じました。なんでも藩政時代、池泉式の庭園だったのを、大正時代に回遊式の枯山水のお庭にしたらしい。かれさんすい……。遠い昔に学んだ日本史の、薄い知識が頭をよぎりましたが、俗な私は、庭園の維持費が一体いくらかかるのかが気になりました。
鍋島邸内は、残念ながら撮影禁止ですが、一般公開されています。幕末から明治、大正時代までの和風建築が、一度に見られるのは貴重かも。こちらのかやぶき屋根は、御北(おきた)といわれる1860年(万延元年)に建てられた隠居棟。と、いうことは当主の寝所ですな。昭和50年代まで、ご子孫の方が住んでいたそう。
1865年(慶応元年)に完成した長屋門。最近、修理されて美しさ+強度もアップした模様。長屋門の修理写真も展示してます。
神代小路のエリア内には、歴史を伝える説明書きが点在してました。「枡形」といわれる地形は、敵の侵入を防ぐように造られた形か……。勉強になります。すぐ近くにベンチがありますが、景観保全のため、エリア内は禁煙だからお気をつけあそばせ……。
お昼すぎから、こちらの雲仙市歴史資料館 国見展示館で催しものがあると聞いたのでちょいと立ち寄り。南側展示館と北側展示館に分かれていて、写真の南側展示館では考古資料の展示館として開館中。入館は無料で、通常は月~金曜の9時~17時まで開館しています。
木造瓦葺の北側展示館は、もとは神代村立神代中学校の校舎。平成22年に歴史資料館として生まれ変わり、当時の学校の様子や農具や民具などの民俗資料を展示。イベント中は、国見の特産品や野菜を販売していました。
催しは、北側展示館の多目的教室で行われていました。約50名収容できる教室ですが、ざっと見ても50名以上は確実にいる大盛況ぶり。フラダンスや津軽三味線、郷土芸能のひょっとこ踊りと演し物も満載。
最後は郷土芸能の鳥刺し。実は、これが見たかった。某有名アイドルグループのTVに出演したこともあり、知名度高し。鳥刺しは、神代鍋島家の八代当主が上洛した時に、同行した家臣が習い覚えたのが始まりといわれています。昨年のがんばらんば国体でも披露されたそう。
あ、この人はTVに出ていた方だ! ミーハー魂に火がつきました。口上に合わせて踊るから、観る側もわかりやすい。鳥を刺す(というかくっつける)ため、鼻くそをつけるなどのなかなか過激なフレーズが飛び交う中、なんとかして鳥を捕まえようとする様子をユーモラスに表現。鼻くそっていったよね……私の聞き間違い!?
それにしても見事なハイレグ(古い?)。お尻をペチペチッと叩くしぐさが面白かった。最後は「チューチュー、バァタバタ」のセリフを2回繰り返し、ステージを素早く去っていった鳥刺し保存会のみなさん。普段は、イチゴ農家として働いており、繁忙期の中の出演となったのでした。終始、観ていた人々の笑顔が絶えなかったなぁ。
第7回緋寒桜の郷まつり
平成27年2/21(土)~3/8(日)
場所:雲仙市国見町神代小路
※メイン会場は雲仙市歴史資料館 国見展示館
駐車場あり