進化するかんぼこを味わって

ここ数年、各メディアでの露出が多くなった長崎のかまぼこ。そんな熱~いかまぼこ愛に満ちたイベントに潜入。今年は、かまぼこができて900年(!)だそう。どんなかまぼこがあるのか、楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

他県の人は「かまぼこでおまつりができるのか?」と思うでしょうが、ご心配なく。まつり初日の午前中にして、この人だかり!

 

 

 

 

 

 

 

15店舗が参加してました。各店舗とも趣向を凝らしたかまぼこが勢ぞろい。長崎では、写真のさつま揚げのことを揚げかまぼこという人が多いかも。あ、「かまぼこ」は「かんぼこ」の発音が正しいので、長崎人なら「揚げかんぼこの美味しかごた~(さつま揚げが美味しそう)」という場面です。

 

 

 

 

 

 

 

おや、何やら行列が、と思った先は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長崎おでんのふるまいでした。そういえば、おでんって練りものづくし。長崎では「長崎おでん」としても販売中で、あごだしに長崎産のかんぼこが入っているのが決め手のようです。2日間で400名に大盤振る舞い。

 

 

 

 

 

 

 

 

かんぼこ券も発売されていました。1,250円分を1,000円でゲット。これはかなりお得でした。

 

 

 

 

 

 

 

まずは会場をぐるりと巡ってみることに。南島原市のシキシマでは、回るちくわが見られました。写真は火をつけていない状態。火をつけたり消したりして、ちくわの焼き加減を調節しているそう。きっとイベント用の機械だろうから、いつもと勝手が違うんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

我慢できず、まるなか本舗の焼かまを購入。たら・えそ・ぐちを使ったかまぼこで、竹串に刺してあるので食べやすい。遠目から見るとまるで棒アイス!? 今や、かまぼこは形も味も自由自在です。

 

 

 

 

 

 

 

魚のすり身とじゃがいもを混ぜて揚げたもの。雲仙市の七郎屋で、私がガン見していたら、フライヤーから揚げたてを見せてくれました。カテゴリーはかまぼこなのか、コロッケなのか。少々悩みましたが、美味しかったからいいか♪ 寒かったせいか、その場で揚げたり、温めたりと、いたれりつくせり。お店のおもてなしの心がしみました。

 

 

 

 

 

 

 

見つけると、必ず購入してしまう長崎本舗のハトシ。以前、このコーナーでも紹介しましたが、ハトシとは、食パンに海老のすり身を入れ、揚げた卓袱料理のひとつ。イマドキのハトシは、海老だけじゃなく、魚のすり身にチーズを入れたりして種類も豊富。迷わずチーズを買いましたが、チーズ味に、全然魚のすり身が負けていない! 食べごたえのあるハトシロールです。

 

 

 

 

 

 

 

最近、地元新聞で、この長崎かんぼこ王国が、長崎市中心部の活性化を目指す市の「まちぶらプロジェクト」に認定されたそう。長崎市の田上市長が国王で、PRキャラに竜眼王とちくわ王妃。そして動画投稿サイトでは、長崎かんぼこ王国の国歌の映像が……。それくらい長崎人はかまぼこ好き! 長崎のお土産に、これからのお歳暮シーズンに長崎かんぼこをどうぞ。

再び訪れた人気の釣りスポット

今回の釣りスポットは、長崎市畝刈エリア。今年6月もお邪魔しましたが、ひとことで畝刈といってもその範囲は広いので、今回は新漁港を望む釣り場へと足を運びました。再び、あの生物たちとの出会いが……!!

 

 

 

 

 

 

 

新漁港は、水産県・長崎一の漁港です。波止場には船が停泊中。私の頭の中では、若大将の「海よぉオレの海よぉぉ~」のBGMが止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アジゴ狙いの親子。「ココがよく釣れるんですよ」と教えてくれました。お父さまは目が悪いそうで、息子さんが釣り糸にエサをつけたりしていました。海釣りは、リハビリにもいいのかも。

 

 

 

 

 

 

 

ふと足元に目をやると、小魚が散らばっていました。「小魚は置いておくんです。鳥たちがキレイに掃除してくれますよ」と教えてくれました。ホント?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、本当だ! 息子さんいわく「ヒトを怖がって、なかなか近寄ってこないけど、遠くに小魚を投げてみると食べてくれる」とのことで、さっそく投げてみると……食べた♡ 畝刈エリア、鳥多し。しかもこの鳥、変わっているな~。

 

 

 

 

 

 

 

立派なアジ! アジゴ狙いといっていましたが、なかなかの大きさ。アジは刺身にしても良し、フライにしても良し。長崎で青魚といえば、恐らく、一番にこの名前が出てくるかと思われます! それほど、メジャーで人気ナンバーワンの魚です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性釣り人もいました。以前、このコーナーで畝刈に来た時も、女性の釣り人が4、5人いましたが、人気の秘訣を私なりに考えてみたところ、①車を横づけできて便利②堤防もなく釣りやすい③釣り人のマナーが良く、なんならポイントも教えてくれる――ことにあると思いました。写真のオバちゃんは、釣りが好きすぎて、時間があれば釣りをしに出かけるそう。家にいるときは、TVの釣り専用チャンネルを見はまるらしいです。

 

 

 

 

 

 

 

「今日はいっちょん釣れんとよ(ちっとも釣れない)」。撒き餌をして、クロを狙っているそうです。日も高くなってきたので、残っていた撒き餌を海にまいて、最後の賭けに出ている様子。お邪魔にならぬよう、遠くで見入ってしまいました。かかれ~、大物!

 

 

 

 

 

 

 

この立派な疑似餌を操っていたのは、推定年齢50代のオジさまでした。すでにコウイカを釣ったらしいのですが「人にあげちゃった」とのこと。太っ腹……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣り糸に垂れ下がる疑似餌。「海をバックに撮った方が絵になるでしょ」と見せてくれました。新漁港がすぐ目の前に見えるところが、イカ釣りのポイント。

 

 

 

 

 

 

 

優しい釣り人たちとの会話に、ほっこりしながら、ぼちぼち帰ろうかとしていたら、どっからともなく地元っ子(たぶん)がパッと来て、パッと釣りを始めました。そうか、海の近くに住む人々にとって釣りって日常なんだ。長崎人でありながら釣りを楽しまないのは、ホント、もったいないことなのかも。そんな当たり前のことを再認識した釣り場でした。

 

長崎市畝刈・新漁港近く

長崎市街地から車で約30分

軍艦島物語⑭ 〜島に響く不思議な音〜


photo:2015©P3Labo

 現在の軍艦島は無人島で、建物の崩落も多いため何となく不気味なムードが漂っています。

 その昔、軍艦島の中では毎月決まった日になると、アパート群のあちらこちらから、カランコロン、カランコロンと言う音が響き渡ったと言います。島に引っ越して間もない人にとって、正体不明のその音はまさに恐怖。怖さのあまり迂闊に人に訊くのもためらわれ、しばらくの間その日が来るたび震えていたものだそうです。

 やがて音の正体が判明。島に響く「カランコロン」という音は、下駄の音でした。この音が響き渡る日は、軍艦島で働く鉱員たちの給料日。島内では、日常の買い物はまとめて支払うことが多く、給料が出た日には各家の奥さんたちが支払いに駆け回ったものなんだそう。

 「幽霊の正体みたり枯れ尾花」…島中に響いたカランコロンの音は、家計を預かる女性たちが履く下駄の音だったのです。

みんなで祝いたい!電車まつり

行楽の秋はおまつりもたくさん! 今回は、長崎名物の路面電車を見て、触れて楽しめる路面電車まつりに行ってきました。秋晴れの中、会場は終始とっても賑やかでしたよ。

 

 

 

 

 

 

 

昼すぎにメーン会場の浦上車庫へ向かったところ、さっそく車庫近くの路線沿いに人だかりが。お~、撮り鉄のみなさんですね。男子しかおらん。私もカメラ片手に撮っていたので、はたから見ると紅一点の撮り鉄……。

 

 

 

 

 

 

 

撮り鉄たちを魅了していたのは、レトロ感漂う1051号車でした。確かにこの車両、あまり見たことないな。

 

 

 

 

 

 

 

風船で作られたアーチが夢あふれます。とにかくファミリー客が多かった。お子さんに風船とかプレゼントしていたみたいだし。忘れ物傘無料配布や電車と綱引きなど、ココでしか体験できないイベントや催しが一番の魅力かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまつりのメーン会場は浦上車庫。会場内にはミニ電車が登場。個人的に乗りたい気持ち満々でしたが、オバさん1人が乗る姿を想像したところ、ちょっと怪しいのでやめました。

 

 

 

 

 

 

 

ミニ電車に乗って楽しむ人々をうらやんでいたら、今年から登場したおでん電車が停まっていたので、すかさず中へ入ってみました。長崎かんぼこ王国の竜眼王がカワイイ。

 

 

 

 

 

 

 

オレンジカラーがモチーフなのか、車内はキュートな装飾でいっぱい。冬はおでん、夏はビールと、飲み助のハートをわしづかみする電車が次々とお目見え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

押しボタンと水割り飲み放題の見事なコントラスト。子どもは竜眼王やちくわ王妃のイメキャラに夢中だけど、大人は「水割り飲み放題」の文字に視線が釘付けになった方多数でした。

 

 

 

 

 

 

 

おでん電車の後ろには「ながにゃん」が♡ 電車好きでネコ好きって、長崎県民、ほとんどでは。見事な企業戦略を感じつつ、それにまんまと乗る私……。電車のお面をかぶるネコって可愛すぎる。

 

 

 

 

 

 

 

地味といったら失礼かもですが、さりげなく置いてあったこの運転レバーに人気が集中。なんかガチャガチャ動かしてみたい。わかります! 最初は、子ども1人じゃ危ないからと手伝っていたママが、気がつくと自分が夢中になっていた、そんな場面でしょうか。「路面電車まつりあるある」!?

 

 

 

 

 

 

 

会場の浦上車庫は、当然ながら日常使いの車庫なので、何台もの電車が並んでいました。上からも眺められるような通路があったので、のぼってみると――圧巻!! 中央の黒い部分はビューゲルといわれる架線から直流600ボルトの電気を受け取る装置だそうです。

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと説明がついていたので、機械にうとい私も、うっすらわかりました。しかし、この大きな塊が動くことがすごい。ヒトの知恵ってすごいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1911年(明治44)に作られた日本最古の木造ボギー車・168号。特別に、ヘルメットをかぶって下からも眺められるようになっていました。お子さんのテンションUP、恐らく理数系パパのボルテージもUP。お子さんにむかって熱弁する姿がかっこ良かったです。お子さんも嬉しそう!

 

 

 

 

 

 

 

下をくぐると、ココにも各装置の説明書きがありました。主電動機のモーター、電動空気圧縮機のコンプレッサーなど、電車の装置をこんなに近くで見るのって、人生初。

 

 

 

 

 

 

 

以前の路面電車まつりでは、この168号が特別運行して、長崎の街中を走っていたっけ。今回は展示のみだったみたいですが、それでもこの風格と気品に満ちあふれた電車って、そうそうない。見られるだけで貴重です。今年は、長崎に電車が開通して100周年。長崎に住む人にとって、電車はただの人を運ぶ乗り物ではない。昔から、そしてこれからも長崎の心の風景に必ずいてほしい、そう思わせてくれる存在です。

 

第16回路面電車まつり

2015年11月15日(日)

会場 長崎電鉄浦上車庫、長崎西洋館

軍艦島物語⑬ 〜これも一種の健康被害?〜


2015©P3Labo

 土は、人間の足にとって大切なクッションですが、現代では人間が歩く道路のほとんどが整備され、土の上を歩くことは少なくなっています。その代わり、人間の運動や動作に関する研究が進み、人体への衝撃を和らげる履物が多く開発されています。しかし、昔はそのような機能を持つ履物などは開発されていませんでしたから、跳んだり撥ねたりした時の衝撃を和らげるのに土は重要な役割を担っていたのです。

 明治時代から埋め立てや拡張を繰り返して来た軍艦島は、それぞれの時代の最新鋭の技術を施されたコンクリート製の人工島です。子どもたちへの教育的見地から、島の大人たちは屋上緑化などにも取り組ましたが、子どもたちの小さな足が踏むのは土ではなく、コンクリートでした。

 当時の軍艦島で、土があるのは歩道の一部と、端島小中学校グラウンドくらいのものでした。しかし子どもたちは、どんな環境にあろうとも毎日元気いっぱい、走り回って遊びます。そのためなのでしょうか、軍艦島育ちの子どもたちには、関節痛に悩まされる子が多かったのだそうです。

軍艦島物語⑫ 〜悲運の軍艦・土佐の話〜


2015©P3Labo

 現在では「軍艦島」と呼ばれることが多いこの島の正式名称は、「端島」。 既にご存知のように、島の形が軍艦に似ていたことから軍艦島という愛称が付きました。

 端島が「軍艦島」と呼ばれるようになったのは、1920(大正9)年に、 三菱造船長崎製造所で起工、1921(大正10)年に進水した軍艦「土佐」に、形が似ていたためと言われています。軍艦「土佐」は、その後の日本の敗戦を暗示するかのように、不運につきまとわれた船艦でした。

 土佐が人々の期待を乗せて進水式を終えたちょうどその頃、アメリカではワシントン会議が開かれていました。そしてその議場で軍縮条約が調印されたのです。それにより、建造途中だった8隻の軍艦に土佐を加えた9隻に、建造・運行中止命令が下されました。

 役目を失った土佐は、日本海軍の標的演習用の船艦としての利用が決まりました。そして、本来は味方であるはずの、海軍所有の艦隊から砲弾や魚雷をその身に浴び、海中深く沈んでいきました。

 軍艦である土佐が活躍する機会がなかったのは、むしろ幸いなことだったでしょう。けれども、このエピソード1つとっても、戦争からは何も生まれないということがわかりますね。

 悲運の軍艦・土佐。その進水式では己の悲運を予知するかのように、祝いのくす玉が割れることはなかったのだそうです。

不思議な昔話と尿もれ予防!?

すっかり寒くなって、秋を通り過ごしたかのよう。朝晩の寒暖差に体も弱りっぱなしという方は、森林浴もかねて、パワースポット巡りでリフレッシュしませんか。今回は、西彼杵郡長与町の岩淵神社を訪ねます。なんと、夜尿症予防の神さまに祈願!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神社にお邪魔する前に、古札入れを見つけました。古くなった札やお守りなどを入れていいみたい。ま、岩淵神社で購入したモノに限るんでしょうけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さいですが、威厳たっぷり。岩淵神社の鳥居をくぐり抜けてゴー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石段を上り、ふりむくと商売繁昌&無病息災の旗と、長与の町並みが続きます。岩淵神社は、いろんな祈願ができるオールマイティな神社。う~ん、気分爽快♪

 

 

 

 

 

 

 

今回のパワースポットは、鳥居をくぐって石段を上ったすぐのところにありました。右の祠?  いえいえ、そのお隣にある石碑です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

草住さまです。長与の昔話に、この草住さまが登場するんです――昔むかし、ある旅人が長与の草むらで用を済ませたら、その夜から寝小便をするようになってしまった。旅人は、バチあたりなことをやったに違いないと思い返してみると、用を足した時、草むらの中に、何か石の頭を見たことを思い出した。それが草住さまだったのです。お詫びに、周りの草を払い、キレイにしたら寝小便をしなくなったとさ――この草住さまは、三体ある中の一つで、川平バイパス工事のため、こちらの岩淵神社にお引越ししたそう。高齢社会となった昨今、尿もれ予防祈願もできそうです。

 

 

 

 

 

 

 

もともと、草住さまは、各集落の入口にあり、悪疫や災難防止の守り神として祀られたもの。農家の人々が行商に行くときは、商売繁昌を祈願したとか。岩淵神社も各種祈願ができるなら、草住さまも商売繁昌まで、幅広い。せっかく岩淵神社に来たので、さらに上ってみることにしました。この運動こそが、足を動かし→膀胱を鍛え→尿もれ予防にもつながるかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん!? これは狛犬ですよね。本来の狛犬と比べ、なんだか宇宙人っぽい風貌。未知との遭遇……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狛犬は一対のところが多いですが、対はツイでも、お顔があまり似ていない。こちらの狛犬さまもまた、ユーモラス。ハッ、もしかしたら、狛犬じゃないのかも!?

 

 

 

 

 

 

 

狛犬に気をとられていましたが、階段を上り切ると、立派な社殿がすぐそこにありました。

 

 

 

 

 

 

 

お守りも各種ありました。これからの季節は、学業成就や合格祈願などの字面が気になりますな。気分転換もかねて、受験生はお参りしてみては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パワースポット番外編。面白い看板を見つけました。川で遊ぶことの危なさをカッパで表現。カッパを見たい気持ちもありますが、会ったら会ったで、即食われそう。今回のパワースポットは、面白狛犬やカッパの絵で、思わず笑いがこぼれるプチ旅となりました。

 

岩淵神社 草住さま

ご利益 夜尿症予防、悪疫退散、商売繁昌など

アクセス 長崎バス・寺の下バス停より徒歩約5分

軍艦島物語⑪ 〜島の暮らし 先進の島と呼ばれて〜


2015©P3Labo

 人工島である軍艦島には、「日本初」と呼ばれるものが多く存在しました。炭坑アパートを建築する際にも、一部に新しい試みがありました。鉄筋部分に使われたワイヤーは炭坑の廃材。セメントを作る時に使った砂は、対岸から運んだものだったとか。今で言うエコやリサイクルに近いチャレンジだったようです。

 また、完成したアパートにはダストシュートが設置されていました。家庭用のゴミを、専用の投入口から落とすと一カ所に集まるようになっていて、集合住宅の高所に住む人にとっては便利なシステムです。このダストシュート、今ではさほど珍しいものではありませんが、昭和30年代の軍艦島のアパート各棟に設置されていたことを考えると、やはり軍艦島は先進の島であり、島の採炭には大きな期待が寄せられていたことがわかります。

 昭和30年代の日本では、豊かさの象徴としてテレビ、洗濯機、冷蔵庫を「三種の神器」と呼んでいました。庶民の間にはテレビがいち早く広まり、洗濯機、冷蔵庫が続きました。もちろん、国内の全家庭が持っていたわけではなく、比較的裕福な家庭から順番に購入が広まりました。

 この時代に、国内でも普及率の高さを誇ったのが軍艦島。昭和33年の新聞には「島(軍艦島)の家庭は100%の電化」と報じたものもありました。

 戦後の端島で育った子どもたちにとっては、テレビも冷蔵庫も洗濯機も、島内のどこの家庭にも備わっていたため、特別珍しい存在ではなかったとか。後年、成長した島の子どもたちが進学や就職のために軍艦島を離れて初めて、故郷での暮らしが豊かなものだったと感じるのが常だったそうです。

新米を守るかかしに思いをはせて

すっかり秋らしい日々が続きますが、みなさま、いかがお過ごしですか? 秋のグルメと聞くと、ほっかほかの新米が食べたくなりませんか。全国各地、いろんなブランド米がありますが、長崎のお米も負けていない! 今回は、新米を守る、あのヒーロー&ヒロイン(?)とともに、今年のお米情報もちょっぴりご紹介。

 

 

 

 

 

 

 

突然ですが、ここはどこでしょう。長崎の米どころといえば、島原半島の千々石地区や東彼杵郡波佐見の鬼木地区などを思い浮かべる方も多いかと思います。棚田もキレイですよね~。しかし、こちらはどちらでもありません。結構、意外なところかも。

 

 

 

 

 

 

 

じゃじゃ~ん。西彼杵郡時津町の小島田地区です。数年前から、かかし隊が出動しているとのことで、お米&かかしのコラボを見たかったんです。直売所近くにさっそく「かかし隊」の看板を見つけました。

 

 

 

 

 

 

 

短い距離ではありますが、かかしには一言コメントが掲げてあるので、歩きながら読みながら、思わず笑ってしまいました。とにかく、お米を食べてしまうカラスへの苦言がハンパない。確かに、一生懸命作ったお米は、オラたちのもんだと言い張りたいですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝手に、私が選んだコメント大賞の発表~! なぐり書きされた、この一行に情熱を感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらも、勝手に選んだかかし大賞。どこからどう見ても、野良仕事にいそしむオジさんにしか見えない。リアルなオジさんかかしに、カラスだけでなく、見た人もその完成度にビックリ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高台から、小島田地区の全景が見られました。手前から、だいたい稲・墓・稲・家。かかしのおかげか、カラスは上空を飛び回ることはあっても、一羽たりとも田んぼに近づけず。ブラボー、かかし隊!! 島原半島の方に聞きましたが、今年は、台風などの天候不順で、稲刈りの時期も例年より1週間ぐらい遅いそうです。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かかし隊が守るお米を食べたかったですが、どこで販売しているのかがわからなかったので、長崎県産のひのひかりに、長崎ならではのご飯の友を添えてみました。長崎のスーパーに必ずといっていいほど置いてある「もろみ納豆」です。写真のは、南島原市で作られたもので、大麦・裸麦・大豆に、水あめや醤油、生姜をプラスした甘じょっぱい味。これならご飯、何杯でもいけると思わせてくれる、期待を裏切らない美味しさです。ひのひかりは、程よい粘りと甘みのバランスがいい。最近は、人気急上昇中の長崎ブランド米・にこまると互角の戦いを市場で繰り広げているらしいですが、米好きな私は、どちらも大好き♡ 白黒つけられません!