少~しずつ、秋の気配を感じるようになりました。みなさま、いかがお過ごしですか? 今回のご利益スポットは、長崎市の梅園身代り天満宮をご紹介。長崎市街地にありながら、いろんなご利益にあやかれる、お得感満載の天満宮です。
梅園身代り天満宮へ向かう道は、いろいろありますが、一番わかりやすいのは、こちらの長崎検番横から入る道かと思われます。ちなみに、検番とは、芸者さんの手配をしたり、統括したりする場所。運が良かったら、練習する芸妓さんたちの三味線の音色が聞こえてくるかも。
検番横の細道を歩きます。ここから天満宮まで、歩いて3分とかかりません。少し石段を上ります。
とにかくマメに案内看板があって、わかりやすい。この界隈だったら、手ぶらで来ても迷うことはなさそう。迷ったとしても、長崎人はすぐ、道案内してくれるはず。余談ですが、私が、街中で観光パンフレットを見ていたら、どこからともなくオバさんが来て、いろいろと説明してくれたことがあります。私もじげもんだから、道がわからなかったわけではなかったのですが、オバさんの優しさに、心が温かくなったことを思い出しました。
印象的な街灯と鳥居。散策も楽しい通りです。
石段を上ると、すぐ右手に梅園身代り天満宮があります。1700年(元禄13)に創建されました。なぜ「身代り」かというと――昔、丸山に住む安田治右衛門という者が襲われ、槍で脇腹を刺されてしまった。しかし、どこにも傷がなく、不思議に思い、自邸の祠の天神さまを見ると、天神さまの脇腹から血が流れ、倒れていた。それから、身代り天満宮と呼ばれるようになったとさ――恐るべし、天神さまパワー。第二次世界大戦時も、出征を命じられた者が参拝したら、すべて無事に帰還したとのエピソードもあります。
この天満宮の成り立ちからして、すでにパワースポット度バツグンですが、境内には他にも様々な祈願ができます。まずは、こちらの歯痛(しつう)狛犬。狛犬の口の中に飴玉を入れると歯痛が治るそう。昔、歯痛の人が狛犬の口に水飴を含ませたところ、すぐに痛みがとれたことから、ご利益があると言い伝えられています。
ボケ封じ撫で牛。その名のとおり、牛の頭を撫でるとボケない。物事を忘れないつながりで、学力UPも祈願できそう。天満宮だし。お牛さまの頭のすり減り具合に、参拝客の熱心な願掛けぶりが見られます。
ボケ封じ撫で牛の隣にある、この「天満宮」にご注目。文字をなぞると字が上手くなるとか。
信じる者は救われる。心を込めてなぞってみました。字がキレイになったかどうかは、定かではありませんが、私の心は落ち着きました。
天満宮といえば、菅原道真公を祀った神社。天満宮には、道真公ゆかりの牛、そして梅があることが多いですよね。こちらにも、牛の像があり、春には、梅の花が咲くといった王道スタイルです。そしてもうひとつ、「梅塚」なるものがあります。遊女や芸者が、梅干しの種を入れ、苦労がないようにと願ったそう。昔の人は信心深いなぁ。
「こっちもご利益スポットがあるよ」とネコが案内してくれました。稲荷神社ですな。小説や映画にもなった「長崎ぶらぶら節」でも登場したことがある天満宮だから、なんとなく、商売繁盛も期待できるし、信ぴょう性あり!?
梅園身代り天満宮
ご利益 歯痛止め、ボケ封じ、文字上達など
思案橋電停から徒歩約7分