愛しの島グルメ|壱岐特派員取材|武原|2012.2.20
レトロな島の味(1)~いちごじゃむ~
今シーズンは寒さで、いちごの生育が悪く、収穫がすくないそうです。壱岐のスーパーに出ているいちごは、「さちのか」という品種がほとんどですが、この写真のいちごは「とよのか」という品種です。以前は主流だった品種だそうです。ちょっと懐かしいいちごの味がしましたよ!今回は、このいちごを使ったとびきり美味しい「いちごジャム」をご紹介します。
10数年前、子どもたちと「いちご狩り」をして楽しませてもらっていた神山さんの無農薬いちごの農園にお邪魔しました。関東地方からIターンで壱岐の島にやってきた神山さん夫婦は、ここで無農薬いちごを栽培し続けています。子どもには「安全・安心」なものを食べさせたいと思っていたので、無農薬のいちごはとても有難く、よくお友だちと一緒に「いちご狩り」を楽しませていただきました。今でもこだわりの「とよのかいちご」を育て、地元のスーパーに直接卸して、販売しているそうです。
「壱岐の土壌が粘土質なので、いちごの実のしまりがよく、長時間の輸送にも耐えられるので、関東の市場にも販売される」と、JA職員さんに聞いたことを覚えています。
この壱岐のいちごを使って、壱岐の北部勝本町の「湯ノ本地区農産加工組合」のみなさんが、「いちごじゃむ」を手作りしてます。いちご市場にのせられない、規格外のいちごを使って、30年ほど前から加工・販売している「いちごじゃむ」は、大量生産はできません。
ラベルに「自然食品」と書かれている通り、添加物は一切加えてない素材そのものの味がします。全国的な観光地・湯布院のお土産物のイチゴジャムにも、決して負けていない美味しさです。
大びん(500グラム)は家庭用にとても好評だそうです。「大びんの蓋をしっかりと閉めるのも、苦労する」と、組合長の松永サツエさんは、おっしゃっていました。でも、砂糖も控えめで、保存料が入っていないので、開封後は要冷蔵です。早めに消費しないと、冷蔵庫内でもカビが発生してしまいます。
そんな方には、200gの小瓶がおススメ!お土産にも大好評です。大量生産できないので、みんなに教えると、店頭からなくなる恐れがあります。
先日「地域活性化」の会議で、いちごじゃむの話をしたところ、地元の方から「どこで売っていますか?離れて住む息子にすぐに送りたい!」と、反響がありました。今、その影響なのか?スーパーには、在庫がなくなってしまっています。
壱岐の島は、自給自足できる島です。第一次産業だけでは、なかなか生活は厳しいですが、第一次・第二次・第三次産業をミックスした、第六次産業の展開が、この島を再生させる一つのキーワードになると思います。
この「いちごじゃむ」は本物の味です。もっと付加価値をつけて全国に販売できれば、大ヒットすると思います。まだ、この味を知らない方は、是非一度食べてみてください。
下記のお店で、御取り寄せも出来ます。
<JA壱岐市アグリプラザ四季菜館>
TEL/FAX 0920-47-6955