軍艦島物語⑰ 〜石炭のお話 その2〜


photo:2015©P3Labo 坑内バッテリー機関車

 化石エネルギーである石炭を掘る方法には、「露天掘り」と「坑内掘り」があります。露天掘りは、土砂や岩石を取り除き、石炭を地上に露出させて採炭します。昔は採炭前の岩石などを取り除く作業自体が、非常に困難でしたが、1900年代からは作業の機械化、輸送技術の進化により、改善されました。

 露天掘りはオーストラリア、インドネシア、アメリカ、カナダなどで現在でも行われています。

 坑内掘りは地下深くにある石炭層までトンネルを掘り、そこへ資材や作業員を運んで採炭作業をします。海中に炭層があつた軍艦島では、海面下1km以上の所で作業をしていました。垂直の竪坑は地中深く延び、そこから切羽と呼ばれる石炭の採掘現場まで進み、作業をするのです。採掘した石炭は炭車で地上に運ばれ、他の鉱物が混ざっていないか選別した後、出荷となりました。

 掘るのも運ぶのも、文明の進化ととともに機械化されましたが、危険な作業であることには変わりはありませんでした。

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