長崎港の沖合いにぽっかりと浮かぶ「端島」。現在は本名の端島より、ニックネームの「軍艦島」という呼び名の方が有名かもしれません。
軍艦島は明治23(1890)年頃から本格的な採炭がスタートし、他の炭鉱とともに日本の近代化に貢献しました。しかし、エネルギー源は石炭から電気やガスへと移り、石炭の需要は激減。端島炭鉱は昭和49(1974)年に閉山しました。 無人島となった軍艦島は、関係者の間でこそ郷愁の思いを持って語られる存在でしたが風化が進み、ほとんどの人の記憶からは消え去ろうとしていました。しかし、時代の移り変わりが功を奏し、「軍艦」と呼ばれる島の形、崩落した建物が醸し出す廃墟としての魅力、また、近年謳われる近代化遺産的価値などから現在、国の内外から大きな注目を浴びています。
そんな中、軍艦島ファンや映画ファンから「待ってました!」と声がかかりそうな出来事が起こりました。なんと、イギリスが世界に誇る映画シリーズ、007最新作の中に軍艦島が登場することになったのです。 本作「007 スカイフォール」は、シリーズがスタートして50周年となる記念すべき作品です。その中で軍艦島は、ダニエル・クレイグ扮するジェームズ・ボンドの、敵役が生活する「デッド・シティ」という町として登場します。 当初、撮影スタッフは軍艦島での撮影を希望していたようですが、崩落の危険性があるため島内での撮影を断念。ロンドン郊外にセットを組んで撮影を進行したそうです。完成した 「007 スカイスォール」は現在上映中です。 さて、軍艦島はどのようなタイミングで登場するのでしょうか? 乞うご期待!
軍艦島
長崎港から約19kmに位置する端島の愛称。
現在、五社がクルーズ船の運航を行っている。
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