島の細道 長崎本部取材|2015.12.25
軍艦島物語⑱ 〜石炭のお話 その3〜
人間が熱エネルギーとして使い始めたのは紀元前3〜5千年前頃のこと。中国で陶器作りに使われていた、ギリシャの鍛冶屋が燃料として使っていた、など諸説あります。
石炭の本格的な利用は1774年以降。イギリスのワットが蒸気機関の改良に成功してからでした。蒸気機関は、それまでの水力、風力、家畜などの自然エネルギーとは比較にならない動力を生み、大きな工場の機械を降る稼働させました。そしてその結果、生産能力を大きく伸ばしました。以後、イギリスでは石炭の採掘と製鉄が盛んになり、産業革命へと発展していきました。
木炭が主な燃料だった日本では、九州三池の農民が「燃える石」を偶然発見し、石炭利用が始まったとされています。しかし、当初は利用もごく僅かで、塩作りに利用され程度でした。やがてイギリスからの産業革命の波が日本にも押し寄せると、西洋式の採炭技術は急速に発展。増産体制の整備に伴い、石炭は船、鉄道、工場用の燃料として本格的に活用されました。
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