島の細道 長崎本部取材|2015.7.27
軍艦島物語③
日本で初めての鉄筋コンクリート製の建物は、明治44(1911)年に建てられた、神奈川県横浜市の4階建てのオフィスビル、三井物産横浜支店ビルだと言われています。
端島では大正5(1916)年に鉄筋コンクリート製のアパートが完成しました。当初は4階建ての予定でしたが、増加を続ける人口に対応するため、後に7階建てに建て増しされました。その結果、このアパートは日本で初めての高層アパートとなりました。これが現在、崩落の危機にありながらも、軍艦島の象徴的な建造物としてファンが多い、「30号棟」と呼ばれる建物です。
これほど歴史ある建物ですが、竣工当時の資料などはほとんどなく、設計者の名前もわかっていません。
30号棟の完成後は7〜10階建ての鉄筋高層アパートが次々に建てられ、その数は優に70棟を越えました。