アートが町にやってきた! 第2部


 

アート巡り第2弾は、第3会場の有明荘(ありあけそう)からスタートします。以前は旅館だった所で、昭和レトロな味のある建物ですね。私も中に入るのは初めてです。どのようなアート作品が楽しめるのでしょうか?

 

 

 

 

玄関脇に展示してあるのは、伊東敏光 作「宮島鼠」
第1部で紹介した西山寺の山門脇にあった「対風景」と同じ手法で製作されています。平地が少なく山がちな所が対馬と似通っている広島の宮島(厳島)にネズミの姿がオーバーラップされています。犬がうずくまっているようにも見えますね(^^;

趣のある和室の天井からぶら下がっているのは、黒田大祐 作「サンダル通信使」 作者は島内の海岸を回り漂着ゴミとして打ち上げられていたゴムサンダルを拾い集め、江戸時代の朝鮮通信使船をモチーフに作り上げています。漂着ゴミを通信使に見立てるなんてうまいこと考えましたね。気になったのは壁に貼られているペナント。昭和の時代はどこのお宅にでも飾ってありましたよね?懐かしい~^^

2階からなにかカタカタ音が聞こえてきます。何でしょうか?木の階段をギシギシさせながら2階に上ると・・・

「何だ!これは!!!」

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和室いっぱいにてんでバラバラに設置された21台の扇風機が、カタカタ首を振りながら風を送っています。
黒田大祐 作「風」です。発想を現実化する芸術家のパワーを感じますね。
(電気代、誰がはらうんだろう?・・……(-。-) ボソッ)

 

隣の部屋も何か回ってるような・・・

 


黒田大輔 作「うず」 対馬では見慣れたイカの回転式乾燥機にペットボトルや漁具のフロート、ロープ、流木などの漂着ゴミをくくりつけ回転させています。解説には漂着物を回転させることは無意味に思えるかもしれないが、知恵や工夫によって課題が解決に向かうというメッセージが込められていると書かれています。

まだ、奥に部屋があるようです。先を急ぎましょう。(回転してる作品が飛んできそうで怖い)

部屋全体が白いフェルトで覆われた、田中圭子 作「白隠」です。窓からの柔らかい光によって白一色の部屋が独特の落ち着きを見せています。古い旅館の一室だったこちらの部屋と調度品を白で包むことによって時間が止まったように感じます。良い作品ですね。

 

有明荘を後にして次に向かったのは徒歩で3分ほどの第4会場。対馬市交流センターです。

チャールズ・ウォーゼン 作「迷子」 対馬で海岸侵食を防ぐ為に使用されている消波ブロックにペンキを塗ってひとつだけ展示してあります。消波ブロックはたくさん組み合わせることでその性能を発揮しますから普段は、ひとつだけを見ることはありません。こうしてみると独特の形で、アートになっていますね。

次も同じ場所に展示されている同作家の「Omoo(オムー)」です。
19世紀のアメリカの小説家ハーマン・メルビィルの小説タイトルから引用され、その意味は南太平洋・マルキーズ諸島の言葉で「島から島へと渡り歩く放浪者」だそうです。
対馬の海岸に漂着した多数のブイ(浮標)を放浪者に見立てた作品です。

頑張って回ってきたアート巡りもいよいよ次の会場で最後です。
第5会場は交流センターから徒歩で6分ほどの半井桃水館(なからいとうすいかん)です。

「いや~。こりゃまた派手に散らかしとるね~」某島民のお言葉です。
散らかっていると見るかアートと見るかは受け取る人しだいですものね^^

最後の作品は丸橋光生 作「Taming Plastics/対馬の景色」
対馬の中央部にある複雑な入江と島々からなるリアス式海岸、浅茅湾を100円ショップのカラフルな商品で表現しています。

今年12月11日まで行われている「対馬アートファンタジア2011 キックオフ ツシマリンクス」。ぜひ皆様も対馬へいらして、アートの持つパワーを肌で感じてください。また、展示作品だけではなく、その会場となっているお寺や古民家や古い旅館の跡など、そちらもお楽しみいただければ幸いです。

 

名称:対馬アートファンタジア2011 キックオフ「2011ツシマリンクス」
(リンクスは繋がるという意味とヤマネコという意味があるそうです)
期間:2011年11月5日(土)から12月11日(日)
開館時間:会場により開館日、時間が異なりますので、代表0920-53-6111(
対馬市観光物産推進本部)までお問い合わせください。
会場:厳原町内全5ヶ所(下記マップを参照)
主催:対馬市 企画制作:銀座柳々舎
製作協力:広島市立大学芸術学部 企画協力:藤井匡
協賛:広島市立大学、株式会社イズミ、財団法人泉美術館
協力:西山寺、有明荘、半井桃水館、万松院


より大きな地図で 対馬アートファンタジア2011 会場マップ を表示

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