出世魚として知られているブリは、脂がのっている今の時期が美味しいですね。
ここ厳原町の南端にある豆酘地区ではブリの一本釣りが盛んに行われています。
今回は、豆酘漁協で行われた魚の即売会におじゃまして、一本釣りの漁師さんにお話を伺いました。
ブリの変名は対馬では30~40センチがヤズ(イナダ)、50~60センチがワラサ、70~90センチ以上がブリと呼ばれています。お正月には普段の数倍もの値をつけているブリも今頃は比較的安価で購入できます。
今回、厳原町漁協豆酘支所が主催した魚の即売会は、美味しい魚を地元の方にもっと食べてもらいたいと、市価の半値から3分の一くらいで販売されており、近郊から大勢の方が訪れていました。
ちなみに、ブリとそっくりの魚でヒラス(ヒラマサ)と呼ばれている魚がいるのですが、身に締りがあり脂がのってブリより高級とされています。見分け方のコツは口角がわかりやすく、口角の上あごが鋭角なのがブリ、丸みをおびているのがヒラス(ヒラマサ)です。
下の写真で上がブリ、下がヒラス(ヒラマサ)です。こうして見分ければ簡単ですね。
ここは対馬の最南端、豆酘崎として朝鮮海峡と対馬海峡の分岐点にあたり、潮流が速く島内屈指の好漁場となっているところで、一本釣りの漁師さんが大勢いらっしゃいます。
今回お話を伺ったのは、第三和福丸の本石船長です。
まず、仕掛けを見せていただくと青い長方形の板のような潜行板(せんこうばん)にピンクのプラスチックで出来た疑似餌が取り付けられたものでした。船を5ノット(時速9キロ)でゆっくり走らせ、船尾からこの仕掛けを流して海中に潜らせ魚を誘うもので、別にエサは必要なく、このピンクの疑似餌に喰いつくそうです。
この漁法、ゆっくり船を漕ぐ意味から、「漕ぎ釣り」と呼ばれていると教えてくれました。
次に見せられたのは、丸い桶にタコの疑似餌がたくさん入っている仕掛けで、魚種により使い分けているとのこと、漁師さんは一般の釣り人と違い、確実に数多く釣ることが目的なので、釣竿はほとんど使用せずに、このような仕掛けを安価に自作して釣ると言われました。
最後に本石船長、「豆酘崎の魚は美味しいので、もっと多くの人に食べてもらいたい」と自信をもって仰っていました。
豆酘の漁協が即売会をしたのは、今回が初めてらしいですが、今後、継続的に続けていけば豆酘の名物となって、観光客も大勢訪れるようになるのではないでしょうか?ぜひ、検討していただきたいと思いました。
取材協力:厳原町漁協豆酘支所、第三和福丸(本石船長)
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