対馬全島を巡る芸術祭「対馬アートファンタジア」も今年で3回目となりました。
現代アートの作家さんたちには、いつもながらその自由な発想と斬新な作品で驚かされますが、今回はその中の一部をご紹介いたします。
まず最初に韓国のソン・ソンジン(Song Sung Jin)さんの「バルーンヤマネコ」
バルーンとして使われているのは、韓国の南海岸沿いの養殖場から対馬へ漂着したブイ(浮漂)で、これを風船に見立て、ツシマヤマネコが空を飛び旅をする様子を表した、子供たちに人気の作品です。
次は韓国のイ・カヨン(Lee Ka Young)さんの「対馬のトップ」
風にゆられてユラユラ、カンカン・・・波に洗われ削られて、太陽に乾かされ、対馬に流れ着いた物たちが静かに音を奏でます。
こちらも韓国のジョン・マンヨン(Jung Man Yung)さんの「Dropping Sound and Time」
ポチャン・・・ポチャン・・・と水の音が静かな空間に響いています。
ドイツからは、リンダ・ハーヴェンシュタイン(Linda Havenstein)さんの「berlin buddies」
一瞬、宇宙空間に浮かぶ星々の写真に見えますが、複数の人々を撮影し、暗部は明るく、肌色は暗くなる反転デジタルフォトの技法で制作されたアート作品です。
アメリカからは、チャールズ・ウォーゼン(Charles Worthen)さんの「Venus by the Sea」
海岸につくられた石積みの藻小屋にたたずむビーナス像。生命の源としての海を、ふくよかなビーナス像で表現しているんでしょうか?
鹿田 義彦(Yoshihiko Shikada)さんの「蒼いガイシン」
漁業で使うウキも波にもまれ、日に照らされて、対馬に漂着するころには色あせて青から蒼に変化します。古代は異国の地から漂着した物が、対馬の人々の信仰の対象になったという古伝がいくつもあります。
黒田 大祐(Daisuke Kuroda)さんの「ツシマオオトラヤマネコについて」
対馬に生息しているという幻の大きなヤマネコからイメージして、巨大なツシマオオトラヤマネコを表現。転がっている骨はツシマオオトラヤマネコの骨?
入江 早耶(Saya Irie)さんの「今日という夢より ハギトウジンの潮流をながめる」
対馬南部の豆酘(つつ)地区に伝わるパッチワークの野良着「ハギトウジン」をイメージして、展示会場の古民家にあった着物と普段着ている服とを合わせた作品。
友定 睦(Mutsumi Tomosada)
捨てられていたボートを、陸を泳ぐ巨大なイカとして甦らせた作品。島人にとって生活に欠かせない舟も古くなれば廃棄される運命にありますが、アート作品として再度、命が吹き込まれました。
七からげ 綾乃(Ayano Nanakarage)さんの「眠るヤマツミ」
対馬の山々を表現するために、霊山の竜良山と御岳をモチーフに、対馬の木々や樹皮を使って製作した作品。静かに山の神様たちは眠っています。
名称:対馬アートファンタジア2013
期間:2013年10月5日から11月24日
主催:対馬市
連絡先:対馬市観光物産推進本部
電話:0920-53-6111