年に一度の馬祭り 対馬初午祭

対馬初午祭01

 険しい山が多い対馬で、農耕や木材、薪、炭の運搬などに使われてきた対州馬は、島の人々にとって欠かせない存在でした。今回の島の祭りは、その対州馬を主役とした「対馬初午祭」の様子をお伝えします。

元々、初午祭は対馬の上県町瀬田地区に伝わる男児の節句を祝う伝統行事です。その時、余興として河原の土手を対州馬で走り、競い合ったのが「馬跳ばせ」で、近隣から大勢の見物客が訪れるほどの賑やかなお祭りでした。

対馬初午祭02

 祭りのプログラムは毎年趣向が凝らされた出し物で、対州馬のダービー「馬跳ばせ」を始め、流鏑馬(やぶさめ)や疾走する馬上からの凧揚げ、障害飛び越え、階段登りなど人馬一体の高度な技を要する内容で観客を楽しませていました。

小型ながら馬跳ばせで疾走する対州馬は、思いのほかスピードがあり、近くで見ているとすごい迫力でした。

対馬初午祭04

対馬初午祭05

対馬初午祭06

また、対州馬と触れ合える子供たちの乗馬体験では、長い行列が出来ていました。子供たちにとっては良い思い出になるプログラムですね。

対馬初午祭08

 ♫ はぁー しんきー しんきーと 山路ちゃ行けばー・・・  尺八の音色にあわせて歌われる対馬民謡の「しんき節」が会場に響き渡ります。元々は、ばいのさ節、馬子歌といわれていた「しんき節」。対州馬とともに山で一日仕事をし、馬も人間も疲れ果てて家路につくときに歌われたものです。歌の合間には馬を叱咤激励するセリフが入ります。「ほぅ!だだだだ!さっさ歩まにゃ 戻ってぞうずは飲ませんぞ!」 ぞうずとは馬のために作った雑炊状のエサで、馬の疲れが取れるように与えていました。

対馬初午祭07

 対州馬保存会事務局の冨永さんが、このようなことを仰っていました。

「山がちで道路事情が悪い対馬で、昔の人々は対州馬の力を借りて生活をしてきました。車や農機具の普及で対州馬を身近に感じることが無い今では、そのことが忘れられて対州馬の存在が意識されることが少ないようです。対馬の発展のために尽力してくれた馬の存在を忘れないように、次の世代へ伝えていきたいですね」

 対州馬の啓もう活動も兼ねている初午祭ですが、島の人々は対馬のために頑張ってくれた対州馬への感謝を忘れてはいけませんね。

対馬特派員 鍵本泰志

名称    対馬初午祭(つしまはつうままつり)

会場    目保呂ダム馬事公園 長崎県対馬市上県町瀬田

日時    毎年10月第3日曜日

主催    対馬初午祭実行委員会

後援    対馬市、対州馬保存会

協賛    瀬田区

創建400周年 万松院(ばんしょういん)

万松院01

 対馬藩主、宗家菩提寺の万松院は今年で創建400年を迎えました。対馬の観光パンフレットでは朱に塗られた桃山式の山門の写真が良く使われていますが、それ以外にも本堂や境内、歴代藩主の御霊屋、大杉など見どころがいっぱいなんですよ。

万松院10

 万松院は、元和元年(1615年)に対馬藩二代藩主の宗義成公が初代藩主、義智公の菩提のために創立。当初は松音寺といっていましたが、義智公の法号に因んで万松院と改められました。その後、歴代藩主や正室、側室などのお墓も建てられ藩主菩提寺としての役割をはたしてきました。

朝鮮国との外交に携わっていた対馬藩ですが、本堂内には皇室から下賜された額、朝鮮国王から送られた三具足(仏前に供える香炉、花瓶、燭台)や徳川歴代将軍の位牌が安置された部屋があり、朝鮮通信使の饗応役としての格式が感じられます。

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(萬松精舎の額。後水尾天皇の第三皇女、鏡の宮の書)

万松院03

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百雁木と呼ばれる132段の石段を上ると見えてくるのが万松院の大杉。その大きさは目通り6~7m、高さ35~40mの巨木で、樹齢は万松院創建以前といわれていることから400年以上となります。万松院を訪れたらぜひ、この大杉に手を当ててみてください。木のパワーが感じられるかもしれませよ。

万松院06 万松院05 万松院07

御霊屋は壮厳な雰囲気の中に巨大な藩主の墓がずらりと並び、金沢の前田藩、萩の毛利藩とともに日本三大墓地の一つといわれています。

万松院08  万松院09

対馬特派員 鍵本泰志

名称 万松院(ばんしょういん)

住所 長崎県対馬市厳原町西里192 グーグルマップ

アクセス 厳原郵便局前交差点を西へ450m。徒歩7~8分。

拝観料 300円 

拝観時間 8時~18時(冬季は~17時) 年中無休

絶品の肉料理「まかない家」

愛しの島グルメ、今回は肉メニュー充実のレストラン「まかない家」をご紹介します!
 
 
 
 
まかない家はランチタイム中は定食メニューが1080円から990円に割引、さらにフリードリンク(セルフサービス)付き。
今回はこの定食メニューの中から2品をチョイスしました!
 
 
 
 
まずは和風ハンバーグ定食
肉厚なハンバーグに大根おろしの和風ソースをかけたさっぱりとしたメニューです!
肉汁たっぷりのハンバーグに和風ソースが絡み脂っこさを中和し、汁物のかきたまスープと併せてご飯が進んでしまう定食でした。
 
 
 
 
そして次がとんカツ定食
大きなカツを2種類のソースで楽しめるボリューミーなメニュー!
分厚いカツは食べ応え抜群!大変満足感のある定食でした!
尚、ハンバーグととんカツ以外にも若鶏の唐揚げやチキン南蛮、豚のしょうが焼きなどこれでもかと言わんばかりに肉メニューが充実しています!
 
 
 
まかない、と言われるとまかない料理を彷彿としますが本来、まかなう、という言葉は調えるという意味があります。
断じてまかない料理ではない美味しい肉料理の数々、是非ご賞味あれ!
 
営業時間 ランチAM11:00~PM2:30
ディナーPM5:30~PM9:30
定休日  木曜日
長崎県対馬市厳原町小浦180-6
TEL 0920-52-1868
 
対馬特派員 鍵本拓弥

優しい明かりに照らされて「厳原まちなかライトアップ」

10月10日から31日の間、対馬市厳原町内の観光スポットをライトアップする
「厳原まちなかライトアップ」というイベントが開催されました。
例年では極限られた箇所のみのライトアップなのですが、今年は町のあちこちがライトアップされ規模も大きいものとなっています。
今回は厳原町西里地区にある宗家の菩提寺「万松院」周辺のスポットをご紹介しましょう!
 
 
 
 
 
万松院にある百雁木(ひゃくがんぎ)
雁木というのは船着き場にある階段状の構造物の事。
海に囲まれた対馬ですから、岩を切り出して作られたこの階段を雁木に見立てたのかもしれません。
ライトアップされた百雁木はどこか神秘的なものを感じさせる光景でした。
 
 
 
 
 
 
こちらは旧金石城(かねいしじょう)庭園の心字池(しんじいけ)
この一帯は今年の4月24日から日本遺産のひとつとして登録されています。
夕暮れ空を映す池の周囲をライトが飾り、ゆったりと散策を楽しむことが出来ました。

 

 

 

 
 
 
最後は櫓門(やぐらもん)
これは厳原町桟原地区にあった門を古写真などの資料を参考に移築復元したものですが
周りの石垣は金石城があった頃のままで残っておりライトアップされた石垣はとても力強さを感じさせます。
 
 
 
 
 
 
約20日の開催期間なのが少し惜しいライトアップイベント
昼間に見るものとは少し違った風景を見ることで、また新しい魅力を発見出来たのではないかと思います。
 
対馬特派員 鍵本拓弥