乾しいたけの産地といえば大分県が有名ですが、対馬でも肉厚で香り高い高品質のしいたけが生産されています。
しいたけの栽培方法は空調されたハウス内で、オガクズを利用した菌床栽培と、クヌギ、コナラ、アベマキなどの原木を伐採し、しいたけ菌を打ち込み、山間地や森林部の自然の中で育てる原木栽培があります。当然、平地が少なく山や森が多い対馬では、後者の原木栽培で生産されています。冬には大陸からの厳しい季節風が吹き荒れる中で育つ対馬しいたけは、肉厚で身が締り、芳香な香りと味わいが特徴とされています。
そこで高品質な対馬しいたけが見学できる長崎県乾しいたけ品評会へお邪魔しました。
展示会場内では、今回受賞したしいたけや、多数の受賞歴がある対馬のしいたけ名人、永尾賢一さんのしいたけが展示されていました。どのしいたけも、生産者が愛情を込めて育てているため、私から見ればどれも甲乙つけがたい品質ですが、名人、永尾賢一さんのしいたけだけは乾しいたけなのに、生き生きしているような感じを受け、別格に感じました。
対馬の伝統料理、ろくべえ、いりやき、うずみ飯、いかのかしげえなど、普段からしいたけを使った料理が食卓に並ぶことが多い対馬。最近では後継者不足に悩む中、若い方がしいたけ生産に取り組む姿も見られ、対馬しいたけが全国的に有名になる日も近いと感じました。
第55回長崎県乾しいたけ品評会受賞者(上位3名)
左端:農林水産大臣賞、緒方公洋さん 中央:林野庁長官賞、扇みどりさん 右端:林野庁長官賞、多田栄次さん
受賞された皆様、おめでとうございます。
対馬特派員 鍵本泰志
名称 第55回長崎県乾しいたけ品評会
日時 平成27年6月6日
場所 長崎県対馬市 対馬市交流センター
主催 長崎県しいたけ振興対策協議会