無人販売所巡り 厳原町内山地区

内山地区 無人販売所01

 厳原市内の西南に、矢立山をはじめとする500~600m級の山々に囲まれた内山地区があります。

そしてここは、新鮮な農作物が安く購入できる無人販売所が数多くある場所として地元では知られています。さっそく販売所を覗いてみると、タケノコやフキ、アスパラ、葉物野菜に新玉ねぎなど旬の野菜が置かれていました。

それぞれ日によって商品が違うので、このような販売所を巡るのは楽しいですよ。

内山地区 無人販売所02

 買い方は簡単。ほとんどの商品は100円なので、お金を料金箱に入れて商品を持ち帰るだけ。自動販売機と変わりませんね。よく島外から来られた方に「お金を払わずに商品を盗られたりしないんですか?」という質問を受けます。現在まで20年以上このやり方で続いていることから、多少はそのような損害があるものの、圧倒的に心ある買い物を楽しんでいる方が多いようです。私も販売所では珍しいとうがらしを見つけましたので、さっそく購入してみました。美味しいペペロンチーノが出来るかな?

 今回訪れたのは4月30日。内山地区の田んぼには水が張られ、田植えが始まっていました。内山地区のみなさん、美味しいお米、楽しみにしてます。

 

内山地区 田植え01

苗 内山地区

対馬特派員 鍵本泰志

場 所    長崎県対馬市厳原町内山 グーグルマップ

アクセス  県道24号を南下、その後県道192号をさらに南下。厳原市内から10.6km、車で約20分。

内山地区は山を越えていくため天候によっては、山間部で霧が発生します。昼間でもライトを点け、慎重に運転してください。(取材当日4月30日の山間部の状況)

山間部の霧

漁民が開いた村 浅藻(あざも)

浅藻 浅藻隧道からの眺望

 皆様は宮本常一という民俗学者をご存知でしょうか?日本全国を歩き、その地に伝わる民間伝承を調査した方で、昭和25年、26年に行われた九学会連合に参加し、島内各地を調査しています。

 今回ご紹介する浅藻(あざも)もその中のひとつで、宮本常一著「忘れられた日本人」(岩波文庫)の中に浅藻の開拓のことが書かれています。古老の元を訪ね、話を聞く形で書かれたこの文章は「梶田富五郎翁」という題名で収録されており、すぐれたインタビュアーであり、書き手であった宮本常一ならではの読みやすい内容となっています。

 浅藻は対馬の南端にある漁村で、永らく無人の浦でした。その後、明治初期に対馬の好漁場に注目した他県(主に山口県)の漁師が出漁してくるようになり、沖で転覆した豆酘(浅藻の親村)の船を救助したことにより浅藻へ住むことが許されるようになりました。

浅藻湾

 「忘れられた日本人」の中には、潮の満ち引きを利用し、海底の石を沖に運び港を開いたことや、大きな鯛がたくさん釣れて、世の中の人がみんな漁師にならないのが不思議だったこと、石の屋根が多かった時代に、浅藻では瓦屋根の家だったこと。人が定住しだした明治20年頃までは入り江の反対側に狐火が燃えていた話などが書かれています。

 明治から大正にかけての豊漁の頃は、港は漁船であふれ、遊郭もあったほど賑わっていたという浅藻ですが。現在ではその名残があるだけで、他の漁村と変わらず静かな所です。

浅藻 赤レンガ倉庫

 平成20年に閉校した小学校の跡地、浅藻公園に、浅藻開港の碑が建っています。明治44年に立てられた石碑は港を見下ろす場所にあり、今も行きかう漁船を静かに見守っていました。

浅藻開港の石碑

対馬特派員 鍵本泰志

場所 長崎県対馬市厳原町浅藻

アクセス 厳原港から24.5km県道24号を南下。車で50分

参考文献 「忘れられた日本人」宮本常一著 岩波文庫

「厳原町誌」第一法規出版

エメラルドグリーンの海を一望できる「内良の浜」

今回は美津島町 鶏知(けち)にある内良(ないら)の浜へ行ってきました。

ここ、内良の浜は十数年前までは海水浴場として指定され賑わっていましたが、今では海水浴場の指定を外され静けさに包まれています。

波に削られ丸くなった小石が大量に転がる浜辺に座り込めば、聞こえる音は潮騒だけ。

見渡す限りの海を独り占めできます。

夏でも比較的人の少ない内良の浜ですが、冬の海岸を散策するのも一味違う対馬の海を楽しめます!

 

〒817-0322 長崎県対馬市美津島町鶏知甲12

対馬特派員 鍵本 拓弥

大陸を見据えていた「清水山城跡」

今回は、厳原町にある「清水山城跡」へと行ってきました。

清水山城は天下統一を果たした豊臣秀吉が、1592年(文禄元年)に大陸の明国への侵攻を図り

李氏朝鮮に服属と明国侵攻への協力を要請したところ、李氏朝鮮はこの要求を拒否したため

豊臣秀吉は朝鮮半島への出兵を決め、秀吉の命を受けた対馬領主の宗義智が佐賀県唐津にあった本陣、名護屋城の兵站基地として厳原の清水山に築城されました。

清水山城は石垣により三層に区切られていたのですが現在も清水山の麓から山を見上げるとその名残りがあるのが見てとれます。(写真右側から三の丸、二の丸、本丸)

城跡の中には立派な石垣の跡が残っており、当時の姿を垣間見ることができます。

本丸からは厳原の城下町や海の向こうの水平線まで見渡すことが出来、船が近づいてくればすぐに分かっていたであろう事が分かります。

険しい山ではない為、普段着でもハイキング感覚で登れる気安さが魅力のスポットです。

対馬特派員 鍵本拓弥

 

対馬市 交流センター前から登山口まで徒歩20分

登山口より本丸まで徒歩30分

対馬藩 御用船ドック 「お船江」

対馬 お船江 お船屋

 厳原港の南、久田地区に「お船江(おふなえ)」と呼ばれる静かな入り江があります。こちらは寛文六年(1663年)、対馬藩によって築かれた人口の入り江で、釜山や大阪、長崎、博多などを航海した御用船はここで船大工たちにより手入れされ、次の航海に備えました。

対馬 お船江 お船屋02

 朝鮮交易により莫大な利益を得た対馬藩にとっては、貴重な交通手段だった船の格納、修復施設とあって石積みの突堤も原型を保ったまま残され、現在は舟グローで使用する櫓漕ぎの和船が係留されています。満潮時には大型の木造船が出入りできる水深となり、干潮時には干上がるように造られているのですが、350年たった今でも変わらずにその機能を果たしています。

 水辺にたたずむと聞こえてくるのは、風にそよぐ木々の葉音と小鳥のさえずりで、とても静かですから、のんびり過ごすには最適な場所ですよ。

対馬特派員 鍵本泰志

対馬 お船江 お船屋

名称:お船江(おふなえ)跡

住所:長崎県対馬市厳原町久田

アクセス:厳原港から県道24号を南下、久田方面へ約2.1km。車で7分、徒歩で30~40分。

対馬アートファンタジア2013

 対馬全島を巡る芸術祭「対馬アートファンタジア」も今年で3回目となりました。

現代アートの作家さんたちには、いつもながらその自由な発想と斬新な作品で驚かされますが、今回はその中の一部をご紹介いたします。

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烏帽子岳(えぼしだけ)展望所

NHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」が人気のようです。その舞台は北三陸のリアス式海岸の漁村が中心となっていますが、リアス式海岸ではここ対馬も負けていません。

 

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上見坂(かみざか)公園

上見坂展望台

 ながさき島ステーションでは、島民の視点からガイドブックには載ってないような珍しいスポットを紹介していますが、今回は観光スポットとして有名な上見坂(かみざか)公園をご紹介します。

こちらは標高358mの上見坂峠にあるため、入り組んだ浅茅湾が一望でき、観光客だけではなく、島民も多く訪れており、私も子供の頃から学校の遠足や家族でのピクニックなどで良く来ていました。

 

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