沖に輝く無数の灯り。昔から対馬ではよく見られてきたいか釣り船の漁火です。
対馬のいかは長崎県下で一番の水揚げを誇り、新鮮なまま福岡や関西などの魚市場へ出荷される他、干しするめや一夜干し、塩辛などに加工され販売されています。
対馬のいか釣りは、昭和30年代に自動巻上げ機とパラシュートアンカーが普及したことから発展。平成4年をピークに漁獲高を伸ばし続けました。その後年々減少し、近年の燃油高騰が加わり収益が悪化していることから、出漁を見合わせる船も多いようです。(本文と写真の漁船は関係ありません)
対馬島内でよく聞く言葉に、「対馬は漁師が元気じゃないといけん!」というのがありますが、その通りだと思います。昔は漁村に行くと干したスルメイカがずらっと並び「いかのカーテン」といわれていた光景も、あまり見かけなくなりました。漁火とあわせて後世に残していきたいものです。
対馬特派員 鍵本泰志
参考資料 長崎県漁船漁業構造改革推進事業実績報告書