(対馬の天台宗僧侶による豆まき・・・醴泉院)
一年が経つのは早いもので、もう春の訪れが感じられるようになりました。対馬の天台宗醴泉院では、今年も節分の時期に護摩祈祷と豆まきが行われました。
旧暦では立春が新年の始まりとされています。節分は元々、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前日を指していました。季節の変わり目には邪気が入ると信じられていたことから、宮中行事のひとつとして炒った大豆をまいていたのが庶民に広がり、神社やお寺、各家庭でもまかれるようになったとか。
大豆は米と並んで神前に供える穀物で、穀霊が宿るとされています。その神聖な豆を鬼の目にめがけて投げ「魔目」それが「魔滅」につながるということで邪気を払い福を呼び込む意味があります。
(護摩祈祷の後は幸せと健康を願い参拝者全員がお祓いを受けます。・・・醴泉院)
我が家でも節分の豆まきは昔から欠かせない大切な行事として続いています。子供の頃の思い出は、節分の夕方に母親が家中の窓を開け、私に炒り豆が入った枡を渡し「鬼は外!福は内!」と言いながらまくように言われてました。私はいつも近所の目もあるし恥ずかしいので小さな声で言いながらまいていたのですが、母親は「それじゃ鬼はでていかん!」と私から枡を取り上げ、近所中に響くような大声で盛大に豆をまいていました。毎年のことながら私は恥ずかしいのと、普段は物静かでやさしい母親の変わりようにいつも驚いていた思い出があります。
対馬特派員 鍵本泰志