アートが町にやってきた! 第1部


11月5日から12月11日まで対馬の厳原町内で「対馬アートファンタジア2011 キックオフ[2011ツシマリンクス]」が開催されています。

現代アートを通して対馬の担ってきた文化交流をリバイバルさせるという趣旨で、広島を中心として活動する7名のアーティスト達が対馬に滞在し、対馬の素材で製作を行っています。今回は会場全てを周り、現代アートの今を取材してきました。アート作品もさることながら、会場に使用されている趣のある古民家や昭和レトロな旅館跡、お寺など地元の私も普段は足を踏み入れることが無い場所が印象的でした。それらの建物もあわせてお楽しみください。

(第1部・2部と2回に渡ってお届けいたします)

会場マップを手に第1会場の対馬市役所へ伺い、入江早耶 作 「ツシマヤマネコダスト」を見学に。
玄関ホールを入って・・・あれ?無い? ちなみにツシマヤマネコなので、簡単には見つからないそうで・・・
尋ね歩いてやっと見つけました。

「えっ?これ?ちっちゃい!」そこには対馬の蔵元でつくられている「やまねこ」という銘柄の焼酎とスルメをくわえたツシマヤマネコのミニチュアが!
この焼酎ビンのラベルを良く見るとヤマネコのイラストが描いてある箇所が白くなっています。
お解りでしょうか?こちらの作品は絵に描かれたものを消しゴムで消し、その消しカスで絵を立体として現実化する試みの作品で、このヤマネコも消しゴムのカスで出来ているんです!
発想が面白いですよね~^^

場所のヒントは「1階の観光物産協会」

 

第2会場は、厳原港を一望できる西山寺です。対馬市役所からは徒歩で5分程度です。西山寺会場は本堂と古民家の2箇所に分かれおり、入口が別になっているとマップにあります。

 

 

 

 


山門を入ると、その横の部屋になにやら彫刻らしきものが・・・
伊東敏光 作「対風景」です。

「座ってる人と寝そべってる人が向かい合っている。でもなんで緑色?」一見したときの私の正直な感想です(^^;
よく見ると山や川が表現されています。そうこちらは対馬の上島と下島の風景を人物像と重ね合わせている実験的な作品です。下に敷いてある石は海を表しているんですね。なるほど~

次は本堂前の庭に展示されている伊東敏光 作「月の教え」 対話するかのように向かい合って座る二人の人物。と解説にあります。素材は石屋根で使われる板石と海岸で洗われ丸くなった石の素材で、どちらも対馬のものだそうです。普段見慣れている石もこのように立体化されると迫力があります。

次は本堂に展示してあるチョ・ヒョンス 作「灯台の光」、「出会い」、「瞑想にふける(瞑想に向かう)」の3作品です。

左が「灯台の光」 金属板を叩いて形を整える伝統工芸、鍛金と漆の技法で製作されています。色がきれいですね。
真ん中が「出会い」 ゴツゴツした岩肌の間を金箔で表現した滝が流れており、この折れ曲がった線は男性と女性がキスをしている様子を表し、人間と自然が融合する東洋の自然観を表現しているそうです。
右の大きな作品は「瞑想にふける(瞑想に向かう)」 下方の鋭いラインは山々の稜線を示し、山水画の世俗を離れた理想郷の存在を暗示しているとのこと。

この3作品。ギャラリーや美術館で見るとまた違ったように感じるのでしょうが、お寺の本堂に展示されている今は、すんなり空間に溶け込んでいるように感じました。


会場になった西山寺のお庭も、日本庭園ならではの趣があります。これらもある意味アートと言えるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

次は一旦、お寺の外に出て隣にある古民家へと向かいます。古民家でアート作品の展示なんてワクワクしますね。

 

古民家の入口にある門です。石垣と古い門の組み合わせは、城下町厳原ではよく見かけます。

 

 

 

 

 

こちらがその古民家です。とうです?いい雰囲気出してますよね?^^
厳原港を見下ろす高台にあり、解説によると築200年を超しているとのこと。映画のセットのようですね?
一目見て、お気に入りの場所となりました。


それでは中に入ってみましょう。

玄関を入ると、田中圭子 作「陰陽礼讃」の2作品が目に飛び込んできました。
島内の古い家屋の古畳から藁を抜き取り、束ねて素材にしているそうで、陰と陽、受け入れるものと受け入れられるもの。両者が呼応し一つの世界観を形成しているとあります。稲作文化はその一部が大陸から朝鮮半島、対馬を経て日本に伝わっていますからね。作者の意図が伝わってきます。

真ん中の部屋には、黒田大祐 作「こま」が展示されています。この古民家の改築に際して捨てられるはずだった将棋の駒が素材だそうです。対馬の上島、下島2島を駒で表現してあり、イカは対馬の重要な産業である漁業と対馬に集う人々を示し、将棋が人々のコミュニケーションを表しています。

次は奥の部屋に・・・「なんで散らかってるんだ?」と思ったらこれも作品でした(^^;
丸橋光生 作「Taming Plastics/対州馬」です。

近代化で絶滅した種が多い日本の在来馬の中で、現代も残っている対州馬を東南アジア諸国から輸入されている100円ショップのプラスチック製品で表現しています。床に散らばっているのは、絶滅した種を表しているのでしょうか?( ̄~ ̄;) ウーンむずかしい・・・

そして、この古民家にも入江早耶 作「ツシマヤマネコ」が隠れている様子です。どこかな?

見つけました!逃げないようにワンカップでフタがされています^^
こちらのヤマネコはスルメをくわえていませんね。

第1会場と第2会場の2箇所を周ってきましたが、結構な作品数でしたね。しかしまだまだ続きますよ。
第2部も見てくださいね!

名称:対馬アートファンタジア2011 キックオフ「2011ツシマリンクス」
(リンクスは繋がるという意味とヤマネコという意味があるそうです)
期間:2011年11月5日(土)から12月11日(日)
開館時間:会場により開館日、時間が異なりますので、代表0920-53-6111(
対馬市観光物産推進本部)までお問い合わせください。
会場:厳原町内全5ヶ所(下記マップを参照)
主催:対馬市 企画制作:銀座柳々舎
製作協力:広島市立大学芸術学部 企画協力:藤井匡
協賛:広島市立大学、株式会社イズミ、財団法人泉美術館
協力:西山寺、有明荘、半井桃水館、万松院

 


より大きな地図で 対馬アートファンタジア2011 会場マップ を表示

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です