現在対馬では、9月の愛しの島グルメで紹介したろくべえ汁に欠かせない、せんだんご作りが盛んに行われています。
11月から行われていたせんだんご作りが、最終工程に入ったとのことで美津島町の島山地区にある農業振興公社休憩所を尋ねてみました。
皆さん最終工程に向け忙しそうにされていましたが、笑顔の素敵な小田さんに取材を申し込むと快く了承され、せんだんご作りをわかりやすく説明していただきました。
せんだんごの原料は孝行芋(こうこいも・対馬ではサツマイモをこう呼びます)。3トンの孝行芋から約500キログラムのせんだんごが出来るそうです。
せんだんご作りの行程は
芋の選別-洗浄(小型のコンクリートミキサーでゴロゴロ洗います)-破砕(破砕機で芋をコナゴナに砕きます)-灰汁ぬき(砕いた芋を水に漬け、何日もかけ水を換えながら灰汁をぬく)-発酵熟成(灰汁ぬきした芋をむしろで包み発酵させる)-ボール状に丸める(匂いを発する芋をこねてソフトボール大に丸める)-天日干し(丸めた芋を板の上に並べ天日で乾燥させる)-濾過(ボール状の芋を水に漬け、こねながら濾す作業を繰り返す)-こねる(固さが均一になるようにこねる)-鼻高団子丸め(親指、人差し指、中指の3本で独特の形に丸める)-天日干し(鼻高団子が完全に乾きカチカチになると完成)
この行程は芋の選別から完成まで2ヵ月半ほどのとても手間がかかるものだそうです。
こうして出来たせんだんごは保存がきき、対馬の郷土料理「ろくべえ汁」や「せんだんごぜんざい」などに使われ、島の食卓を彩ります。
孝行芋(サツマイモ)の保存法として先人の知恵が集結したせんだんご。私達が親から受け継いだように、次の世代へとその伝承と技術を残していきたいものです。
名称:せんだんご
購入できる場所:JA(農協の売店)、生産者市場
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