対馬藩主、宗家菩提寺の万松院は今年で創建400年を迎えました。対馬の観光パンフレットでは朱に塗られた桃山式の山門の写真が良く使われていますが、それ以外にも本堂や境内、歴代藩主の御霊屋、大杉など見どころがいっぱいなんですよ。
万松院は、元和元年(1615年)に対馬藩二代藩主の宗義成公が初代藩主、義智公の菩提のために創立。当初は松音寺といっていましたが、義智公の法号に因んで万松院と改められました。その後、歴代藩主や正室、側室などのお墓も建てられ藩主菩提寺としての役割をはたしてきました。
朝鮮国との外交に携わっていた対馬藩ですが、本堂内には皇室から下賜された額、朝鮮国王から送られた三具足(仏前に供える香炉、花瓶、燭台)や徳川歴代将軍の位牌が安置された部屋があり、朝鮮通信使の饗応役としての格式が感じられます。
(萬松精舎の額。後水尾天皇の第三皇女、鏡の宮の書)
百雁木と呼ばれる132段の石段を上ると見えてくるのが万松院の大杉。その大きさは目通り6~7m、高さ35~40mの巨木で、樹齢は万松院創建以前といわれていることから400年以上となります。万松院を訪れたらぜひ、この大杉に手を当ててみてください。木のパワーが感じられるかもしれませよ。
御霊屋は壮厳な雰囲気の中に巨大な藩主の墓がずらりと並び、金沢の前田藩、萩の毛利藩とともに日本三大墓地の一つといわれています。
対馬特派員 鍵本泰志
名称 万松院(ばんしょういん)
住所 長崎県対馬市厳原町西里192 グーグルマップ
アクセス 厳原郵便局前交差点を西へ450m。徒歩7~8分。
拝観料 300円
拝観時間 8時~18時(冬季は~17時) 年中無休